[ハンドメイドルアーの話] 初心者向け浮力計算表


釣りの話です。ハンドメイドルアーの話です。

ハンドメイドルアーを作ろうとすると、
シンカーの位置決めと浮力の問題にぶち当たります。
この2つはけっこう高い壁です。
しかしクリアしなければいけません。

今回はその中でも最も簡単な浮力計算を軸に書いてみます。
計算表を載せておくので参考にしてください。後に載せた表は言うまでもなくフリーです。

早速いきます。

ルアーの原理
浮力計算をするその前にルアーの原理を極めて簡単に書きます。
詳しく書くと迷宮の森に入るので極めて簡単に書きます。

フローティングにしろシンキングにしろ泳ぐルアーと呼ばれているルアーは、
体勢を整える→体勢を崩す→体勢を整える→体勢を崩す、、、、の繰り返しです。

I字系ルアーと呼ばれるルアーは体勢の崩しが極めて小さく真っ直ぐ泳ぐようになります。
S字系ルアーは体勢を整えることと崩すことが大きなためフルアクションになります。

それに加え大きさや重さや形などが関係してきますが、
基本的には整えると崩すを支配できると望みのルアーが作れると思います。

浮力を考えるプラス
作りたい形が決まっていると仮定して話を続けます。
実際に作る時、初めは浮かせる (フローティング)を試みた方が良いでしょう。
それと同時にシンカーの機能(位置)を考えながらやるとヒントが自然に出てきます。
初めはルアーの中心下側部分にシンカーを入れ様子を見ましょう。
それから、想像で良いのでシンカーの位置を少しずらしたり2つ以上のシンカーを入れたり
工夫が自然と湧き上がることでしょう。
浮く(フローティング)を把握したらこっちのものです。

自分は浮かせることをクリアしましたが、人間は欲深いもので、
浮かせることが出来たら今度は沈ませたいと思うようになり、
スローシンキングやルアーの前部や後部から
ある一定のスピードで沈むことを模索しています。

浮力計算表
ミサキが実際にやっている浮力計算表です。ミサキ表ですので参考までに。
木材(バルサなど)で作ってます。
名前 / 自分にとって分かる名前を付けます。
A / 木材を削る前段階での体積。立方体の状態。縦×横×高さ。作るルアーの大きさに最近似。  
B / 木材を削る前段階の重さ。Aの重さ。
C / 木材を削る前段階の密度。B÷Aで求めます。
D / 加工後の重さ。削ってルアーの形になったときに測ります。
E / その木材(D)が浮くための重さ。この数値より総重量が重いと沈みます。
F / ワイヤー、スプリットリング、フック、リップ、装着する全てのパーツの重さ。
G / D+F+( )。( )の中はセルロースや塗料などを予想。表の例では3g+を予想しています。
H / 浮力に対して総重量からウエイトを予想。-(マイナス)は沈み、+は浮く。今回は沈む予想。
I / 持っているシンカーの装着。自分は6φを1つ入れると判断。
J / Iのシンカーの総重量。
K / 予想総重量(L)とEの計算。-(マイナス)は沈み、+は浮く。
L / GとJの合計。この数字が後々の判断のヒントになります。
M / 自分の場合はセルロースラスト2回の段階で測ってます。
N / セルロースラスト2回の段階で判断。
O / 完了した時点で測ります。
P / 重さの誤差はヒントです。今回は2匹平均0.495gの予想との誤差がありました。
Q / カラーリング。

解説
A〜Pまでなるべく正確にやった方が良いのですが、
重要なのは、G、K、MとN、O、そしてPです。

ヒントになるのは、Pの誤差。
予想総重量(L)とOでは0.495gの誤差があったと言うことはGの段階で(  )の中を3.5gに
するべきだったと思います。
そしてKの狙うレンジがSにも関わらず実際はFとなったのはGの段階で
予想が外れていることを示します。
もしGの段階で(  )を3.5gにしていれば、間違いなく沈み、
そのルアーはKでの予想とNの実際が合致していたでしょう。

作業内容の寸分の誤差と木材自体の個体差の平均を出すことが求めら得ます。

まとめ
浮力計算をミサキ表で載せてみましたが、予想と実際は違うことが起こります。
ハンドメイドルアーでは形の造形の段階で
サンドペーパーひと削りで全てが変わることを思い知っています。
そして塗料やセルロースの時間や性質なども大きく影響します。

悪い言い方をすればパーフェクトには作れない、、、、、
しかし、良い言い方をすれば、唯一無二の当たりルアーが参上します。
この唯一無二と言うのが醍醐味です。

量産されたルアーが新発売され続けるのとは異端な位置にあるのがハンドメイドルアーです。
量産されたルアーが何故新発売を繰り返すのか?はまた別の機会に書いてみますが、
ハンドメイドルアーが異端な存在なのはとても貴重です。

自分もそうですが、自分だけの、貴方だけの、オリジナルを見つけ出せるはずです。
なんども失敗することは必要なことなのです。
だって、オリジナルを世界でたった一つだけ作るのだから、
そんなに簡単ではないのは分かって臨むだから楽勝ですよ。

また機会を見て理屈と理論を書いて見ますのでお楽しみに!