ルアーの作り方 ミサキ流 2/5 「削る」
削っていきます。
この「削る」と言う作業が全編においてもっとも重要な章になります。
内容も長いものとなります。
気構えとしては「慌てない」「欲張らない」「お酒を飲まない」「必ず確認」です。
一気にやろうとするのは失敗の元となります。
時間も書いていく場合もありますのでご参考に。
まず使うもの
一番初めの段階で使うものは写真にあるように
削る木、データ、です。
木のサイズを書いているのは、同時に浮力計算もしたので書いています。
浮力計算はまたの機会に書きます。今回は作り方のあらましです。
データは左右と上を用意します。PCの場合、尺寸が分かり線と円が描けるアプリなら何でもOKです。実サイズで作ると手間が省けます。
PCが無い場合は手書きでOKです。左右対称はルアーの形を描いたらトレースして転写でも出来ますし、用紙の裏側を透かしてみればそこからトレースできます。この時点で寸分狂わぬデータ(絵)は必要ありません。
のり
バルサ材にカットした絵を貼り付けます。
乾くまで待ちます。放置で約30分。
乾いたらカットします。絵の線を切るのではなく線を残す感じで上から下に真っ直ぐに切ります。一発で切るのではなく少しづつ線に近づいていくように2〜3回くらいで切ります。この時点で線にジャストの美しい切り口はさほど重要ではありません。上から下に対し真っ直ぐ切れていることを意識します。斜めになっていてもOKと言えばOKですがなるべく真っ直ぐに切ります。
切り終わったら2つを重ねて厚みを測ります。
現在16.9mmですが、合計の厚みを1.2mmにします。
16.9mm−1.2mm=4.9mm÷2=2.45mm
左右の厚みから2.45mm切り落とします。カッターで2mmくらいを目安に真っ直ぐ切り100番のサンドペーパーで0.45mmを削ります。100番のサンドペーパーは一擦り0.2mmくらいの目安です。
キモ 切りすぎない。削りすぎない。予定より少し残ってるくらいがちょうど良いです。
ルアーを決定づける上部分
今回は75mmのミノーを作っています。
上部分のデータ(絵)は重要です。慎重に切ります。
こちらも線を少し残すくらいで切り落とします。
両面テープ
両面テープで左右を貼り1匹のルアーの原型にします。
テープと言うものは瞬着と思われがちですが、貼った時から数分おいて置くと粘着が強くなります。ここでは10分くらい放置します。
キモ 軽めに左右をぎゅーーーーーっと押し込みます。テープと木の間の隙間は粘着しません。隙間を少しでも無くす作業です。
番手100番の凄まじい威力
バルサ材は軽く柔らかな集成材です。力加減は慣れになってしまいますが、ルアーの底辺を真っ直ぐに整えます。
その際に左右の絵がある場合はその絵に沿って削ります。今回は切り落としたので左右両方に違和感のない程度まで真っ直ぐ削ります。
小型バイス
小型バイスがある場合。締め付けに注意しましょう。強く締め付けるとバルサ材が凹みます。調整がうまくいったら番手160番をリボン状にしゆっくり円を書くように削ります。この場合、上下右左の向きを変え四方を削ります。
小型バイスが無い場合。番手160番でゆっくりイメージしながら削ります。
キモ 小型バイスがあっても無くても急がずゆっくり完成のルアーのイメージを持ちながら削ります。
削り終わったら
頭と尻尾の部分で厚みを確認します。左右対称がベストですが、左右不対称でも大丈夫です。ここでの重要なことは完成したルアーはその形になると言うことです。左右不対称であってもワイヤーとウエイトがど真ん中に来れば重さのバランスはとれます。それは「入れ込む」の章で説明します。
ドブ漬ける
ここまできたら「削る」はあと少し。
バルサ材はとても柔らかいので作業中の不意な力に折れることもあります。それを軽減させるためにここで一度だけドブ漬けします。
なるべく細いワイヤー(写真は0.55mmの真鍮ワイヤー)を差し込みます。ワイヤーは細ければなんでもOKです。
キモ ドブ漬けはルアーが完全に沈むまでを30秒くらいかけ、沈んだら1分くらい沈めたまま、そして上げる時も30秒くらいかけて上げます。このタイムスケジュールは幾度となく使いますしかなり重要なのでここで練習しましょう。この場面では時間感覚を覚えると良いですね。かなりの遅いスピード感です。
乾かす
ドブ漬けしたルアーの原型を乾かします。液垂れしますので工夫は必要です。
干せる状態は環境が違うので限定はできませんが、自分はバルコニーに干竿兼塗装ブースをおいてます。
乾燥時間 6時間以上。
これで第1章「削る」は終わりです。
始まったばかりですがここさえクリア出来ればあとは楽勝でしょう。
ルアーの作り方 ミサキ流 3/5 「入れ込む」に続く。