たまには LOVE山口県 3/3
一昨日、昨日の続きです。
「たまには LOVE山口県」最終話は「観光」です。
基本データ
大きなアミューズメントを希望の方は大阪や福岡が良いかも知れません。
山口県には何もありません。「何もない」を良いと思うか悪いと思うかは人それぞれですが「何もない県」が日本にあるとしたら山口県しかありません。
何もない風景は絶景をも生みます。何もない町には静寂があります。
何もない県には何かがある県に無いものが溢れています。
山の涼しさ、海の匂い、浜辺で売られる焼きぞば、小さな川の流れる音、小さな駅にある激ウマのうどん、どこにでもありそうな食堂の全部が美味い、山を越えたらいきなり海、
そんなのを求める人には山口県観光ほど良い場所はないでしょう。
最後のこの章では下関、山口市、萩市にフォーカスしたいと思います。
萩市
山口県東部に位置します。萩市は町全部が観光地と言っても過言ではありません。
指月公園に続く菊が浜の夕焼けは絶景です。
町が小さいので1日あれば余裕で周れます。
歴史好きの方には松陰神社総本山に行って欲しいですね。驚きますよ。
出雲大社と変わらないんじゃないかと思うほどの雄大さを持っています。
松陰神社を中心に明倫館、伊藤博文旧家、高杉晋作旧家もおすすめです。
高杉晋作旧家へ行く道のりは白壁続くノスタルジックな道のりです。
明倫館は町のほぼ中心にあるので街中と言った感じ。
おすすめは伊藤博文旧家への道のりです。何もありません。萩の山間から吹き下す優しい風と霧の立ち込む朝、近くの川を越え路地を曲がったら背景には壮大な山のそびえる伊藤博文旧家が小さくそこにあります。
何もない町を楽しむ最高の町が萩市ですね。
お腹が空いたら「どんどん」と言ううどん屋がおすすめです。自分は「俺たちのどんどん」と言ってますが山口県東部の学生から社会人までどんどんの味にお世話になっているのではないでしょうか。どんどんが味わえるのは萩市と山口市の2箇所です。
山口市
山口県東部に位置します。
ことらも歴史好きにはたまらない場所です。歴史好き以外の方には一の坂川の散歩をおすすめします。ほたる祭り(5月下旬から6月)と言うのが毎年開催されていますが小さな川に無数のホタルが舞い上がるのを見れるのは一の坂川だけでしょう。小さな川と言うのがポイントです。絶景と言うには浅いですが向こう岸の分かる川だからこそ見れる絶景です。
瑠璃光寺も見ておいた方がいいでしょう。京都の金閣寺にはない清廉された雰囲気です。全体が公園になっているのでランチを持っていくと良い時間が過ごせます。
夏に行くなら8月の提灯祭りの時期がおすすめです。道場門前や米屋町をつなぐアーケイドがあります。正式名称は山口市中心商店街と言うのですが「道場門前」「米屋町」「井筒屋のアーケイド」が通称だと思いますので初めて行く方は通称で尋ねるとスムーズです。提灯祭りは実に楽しいです。
言うなら「ちょうど良い距離」です。田舎町なので歩けないほどの人だかりにはなりません。「ちょうど良い」楽しみがあります。
足を伸ばせるならサビエル記念聖堂もおすすめです。整備された公園なので車でのアクセスも簡単です。日本にキリスト教を初めて伝えたフランシスコサビエルが腰を安心しておろした場所が山口市です。その記念聖堂です。毛利公が吉田松陰を4度も許したようにキリスト教の伝来にも大きな理解を持っていた証でしょう。
ポップな考え方を大名も市民も持っていたのかもしれませんね。
そして都市伝説好きな方にはあのシンボルがちゃんと正面最上部に記されています。
下関市
観光で言えばきりがないのが下関です。
有名なのは赤間神宮、関門橋、角島、海響館(水族館)ですが、
地元ということで幼少の時のとっておきスポットをいくつか。
南風泊漁港市場。一般入場はできませんが日曜日に行けば漁港に寄り添う岸壁が歩けます。何もありませんが怪しげな雰囲気がそそりますよ。
唐戸市場。下関はどこへ行っても海が続きます。駅から程なく唐戸市場があります。唐戸は一般入場がOKですが確認してから行きましょう。海の幸は市内全域ほぼこの唐戸市場を経由してます。下関駅から歩いても20分あれば到着するので港を歩きながら向かうのも良いですね。
稲荷神社好きには、下関は最高に熱いです。
稲荷神社の数が半端ないです。お稲荷様は商売の神様とされていますがそれだけお稲荷様への信仰がある地域なのでしょう。
小さいところで言えば蛭子神社、桃崎稲荷大明神、紅葉稲荷神社などなど。行けばびっくりするくらいの社ですよ。
大きなので言えば、元乃隅稲成神社、福徳稲荷神社などなど。壮大を感じたい方はこちらがおすすめ。
歴史や神話が好きな方は住吉神社がおすすめです。
日本と下関地域の歴史の始まりのその一点を祀る社です。住吉の名前は大阪と博多にあり大阪を大社としています。その一つが下関にあるなんて信じられないことですがあるのです。
下関の起源を神話とするのなら住吉神社無しでは語れないでしょう。
夏に行くなら馬関(ばかん)祭りですね。先帝祭とも別名を持つこの祭りは神輿も出ます。
一番の目玉は花魁(おいらん)の牛歩です。壇ノ浦に沈んだ女たちを偲んで花魁が道中を牛歩します。派手さはありません。そもそもの祭りの意味を大切にしているお祭りです。最後は赤間神宮をゴールにします。最近は人受けするように芝居染みたことをやっているようですがお祭りの本来の意味を大切にしている先帝祭を少し楽しくしてくれるかも知れません。
長門に向かう途中にある川棚温泉名物瓦そばも行きましょう。本館がおすすめです。情緒ある座敷で味わう瓦そばは初めて見る人を楽しませてくれますよ。
夜、肉を食べるなら竹崎町に行けば焼肉屋が数件あります。どのお店も韓国風焼肉を日本風にアレンジしたいてとても美味しいです。
食事はどの県でも同じだとは思いますが閉店が早いので都会のつもりで食事へ行くのはやめましょう。
下関の良い歴史
下関はその歴史から韓国からの労働者がとても多い町でした。東京都大阪府愛知県に次ぐ在日韓国人の多い町が下関市です。その歴史から韓国人の方々との共存が必須条件となっています。よその町は分かりませんが下関に至っては間違いなく「共存」を果たしています。まず「都会ではない」と言うのが上手に作用したと思います。韓国籍の人が日本の学校に通うことも珍しくありません。高校から朝鮮学校に行く人も珍しくありません。韓国人差別が無い!とは言いませんが差別にパワーを使うくらいなら共存を選んだ方がお互いに有益だと潜在的に市民が判断したと思ってます。実際に韓国籍の方が会社を起こし市内で活躍しているのも事実です。韓国釜山とも姉妹都市の条例を持つ下関は田舎にしては異国情緒に溢れる町なのです。
そこで育った自分は韓国人差別が嫌いですし、それをやる人のことを理解しません。共存を選んだ町があるのだからそうすれば良いだけだと思います。もし共存できなかったら、あの美味しい焼肉は食べれない町になってたかと思うと下関市民の選んだ判断は正しいと思います。在日韓国人の方々も下関の海の幸を美味しく食べれることを喜んでくれているでしょう。
これからも共存を選び続ける町であってほしいと思ってます。
まとめ
駆け足で見てきましたが山口県を観光するなら「情緒」を期待するのが正しい観光の仕方です。アミューズメントや派手なイルミネーションを期待する方にはおすすめしません。
大人が訪れる町、それが山口県です。
全3話、最後まで読んでいただきありがとうございます。
帰省した際には新たな山口県の魅力を持って書きますのでそちらもお楽しみに。
ぜひぜひ山口県をよろしくお願いします。