騒ぎが収まったら確認すべき「香港デモ」
自粛ムードが本格化してきました。自粛の本格化は良い意味では感染防止、悪い意味では全ての足留めとなるでしょう。
足留めを食らっているのは世界経済だけではなく、民主化運動も自粛への一途を選んでいますが聞くに新しい「香港デモ」は今も継続中です。
コロナ騒ぎでグチャグチャと自粛になっていますが騒ぎが収まった後、どうなっているかは大注目です。
香港デモを紐解いてみます。
なぜ大注目か?
香港デモは「デモ」と呼ばれていますが性質が「革命」に最も近い抗議活動です。
デモは抗議活動を意味し、革命はシステムの変更を意味します。
イギリスの植民地を終えた香港は中国からの一国二制度と言う極めて稀な制度を受け入れました。香港側の言い分としてはイギリスの植民地希望 NO ニーハオ!で、中国側の言い分としてはイギリスからの変換先は中華人民共和国の土地と民であるとなるのです。
以前の香港は国ではありません。所属はイギリスでした。
今の香港は中華人民共和国の支配下なのですがそれに「NO!」を言って始まった元植民地なのです。
なので香港デモにはいくつかの歴史的な光景があるかも知れないのです。
万が一の独立、中華人民共和国初の民主化、その逆が香港暴動の鎮静成功、香港初の共産主義化。
前者の2つを多くの香港市民は望んでいるにも関わらずその願い通りにはいかないこの時制は否応もないシステムの存在を裏付けている気がしますね。
香港デモのキッカケ
たくさんの要因が重なって起こった香港デモですがその積もり積もった鬱憤が爆発した事件が「逃亡犯条例の改正」だったようです。
簡単に書くと
一人の香港人が台湾国内で台湾人を殺し祖国香港に逃げ帰った事件が明るみになり台湾政府が香港政府に引き渡しを求めます。そこで登場するのが中華人民共和国政府。
香港は一国二制度のため国にあたる部分は中華人民共和国を示すと言うことで国際法の規定通りに国家(中華人民共和国政府)が犯罪者を引き渡すこととなります。
しかし二制度と言うことで香港政府の法案改正も必要となり議会が逃亡犯条例を改正します。この議会のほぼ全ての議員は中華人民共和国政府の人間が当選議員となっています。
結果、国際的に見れば、犯罪者の引き渡しが中国→台湾と言う図が出来るのですが、
香港市民から見れば香港→中国→台湾となるのです。香港市民から見れば香港市民を中華人民共和国政府への引き渡し許可条例となりそれは国際社会では香港ではなく中華人民共和国の一部と言う意味になりました。加え香港が中華人民共和国政府に支配されていく恐怖を覚え共産主義の恐ろしさを知る香港人は断固その条例を拒否するのです。
この条例改正を口火に民間人権陳隊が抗議活動をはじめやがて80万人とも言える大きな波が押し寄せるのです。
裏を返せば「イギリスの植民地時代には香港には自由があった」となります。
中華人民共和国の支配下では自由がない!と感じた香港市民の自由への戦いなのです。
(民間人権陳隊の資料が中文か英語なのでイマイチ分かりませんが、どうやら民間の人権団体のようです。政治結社ではないようです)
5大要求
香港デモの目的は民主化運動へと変わりつつありました。しかしそこで幸か不幸かコロナ騒ぎとなってしまったのです。
民主化運動以前は抗議行動だったのですがその後の変化で5つ(4つとも6つとも言われている)の5大要求が香港デモの核心と変わりました。
1)条例改正案の撤回 / 逃亡犯など国際条例は香港主導の下行うという意味。
2)今回のデモを暴動として認めない / 暴動ではないと認めろと言う意味
3)警察の市民への暴力に対する調査 / デモ参加者への不当な暴力の調査依頼
4)逮捕されたデモ参加者の釈放
5)自由選挙(現政権の退陣)
この5つが香港デモの参加者の要求となったようです。
中華人民共和国政府は(1)は認めたもののその他の要求は拒否しています。
それに挫かれずに抗議を続ける香港市民を暴徒と呼び強制排除も辞さない構えなのが中華人民共和国政府ですが政府としては軍事介入できない事情もあり九龍(街の名前クーロン)市街線では国民義勇軍(民間の軍隊)が自らの意思で配列し香港への侵入を待ち構えています。民間義勇軍が香港内で防戦または負傷をすれば共産党の軍隊が正義の応戦として介入しやすくなりますが、実際にそうなると国際社会への影響と大きな意味での香港を失うことになるやも知れないのです。
が、ここでコロナ騒ぎが勃発してしまうのです。
まとめ
コロナ騒ぎがいつまで続くかは分かりませんが、香港デモは自由への戦いとも言える抗議活動です。これに注目しない方が珍しいでしょう。
顔は中国人、言葉は広東語と公用中国語と英語を操り、中華人民共和国としては最も栄えた都市の人たち、そして中華人民共和国始まって以来もっとも自由に生きてきた中国人は自分は香港人だと宣言しているのです。
香港人誕生の瞬間かも知れないこの香港デモは見逃せない出来事です。
そして日本は自由の国ですが、この自由が最頂点だとしたら香港人にさらなる頂点を見つけてほしいと思います。この自由が最大最頂だとしたらあまりにお粗末なシステムの成れの果てでしょう。
まだ頂点には到着していないことを信じながら香港デモを応援しています。
自由を求めて叫んでる香港人はイカしてる。
自分は日本人ですがダサいよりカッコいい方が好きなので好きな方を選んで生きていたいと思います。