時速0.012km/h
腕も動くようになってきました。治癒能力に優れている身体なのか執刀医の腕がいいのか分かりませんが腕が動くと言うのは素晴らしい出来事だと心から思います。健康って素晴らしいです。
そんな良好な状態では何かをしたくなります。
激しい活動は出来ないので、家で作りかけのルアーをドブ漬けします。
ドブ漬けに際しいくつかの注意点を書いてみます。
工程1/ セルロースセメント の吹き付け
コンプレッサーを回して吹き付けのできる環境の方は専用シンナーまたはラッカーシンナーで希釈して3層から5層の吹き付けをします。
吹き付けの出来ない環境の方はセルロースセメント スプレーがオススメです。セルロースセメント スプレーを3層から5層ほど吹き付けます。
マーカーなどのマジックで色付けをしているのであれば、水性ニススプレーツヤありがいい場合もあります。
乾燥時間は全てにおいて5時間から6時間は最低でも必要でしょう。5層作ると30時間から36時間必要です。
工程2 / セルロースセメント+リターダ
自分はセルロースセメントを希釈無しでドブ漬けしています。その時にリターダを指定の割合で入れカブリ止めを意識しています。
リターダ投入のタイミングと言うのは湿気の多い季節や環境の時に必要です。自分は乾燥を外で干しているので季節や天候に左右されることが多いです。なのでリターダは欠かせないアイテムです。
ラッカー系塗料は白濁した仕上がりになることがあります。それは乾燥時に湿気を塗料に寄せる性質からです。あっという間に乾くラッカー系塗料をわざと遅く乾かすと湿気が塗料に寄らないんです。「わざと遅く乾かす」ことが出来るのがリターダです。
リターダは入れすぎ注意です。指定の割合の分量を入れましょう。
工程3/ ドブ漬け
時間との勝負です。わずか10cmのルアーを下げるのに30秒以上、上げるのに30秒以上かけます。遅ければ遅いほど色流れが少ないと言われていますが、最も重要なのはルアーに施した塗装をワヤにしないスピードです。
理屈としては下げの時は塗装を犯さないほどのスロースピード、上げの時は流れ終わったセルロースセメントだけがルアー上部に残っていることです。この状態を作るのにかなりのスロースピードが必要です。
自分は移動距離往復わずか20cmを60秒以上かけて動かすのにストップウオッチと心のカウントの両方を用いてます。それでも色流れすることがあるので慎重にゆっくり作業することが求められます。
工程4/ 乾燥
乾燥には環境が必要です。自分のように外に簡易的なドライエリアを作るメリットは匂いが拡散することと、太陽熱が温度をあげてくれることです。デメリットは湿気による白濁の心配です。白濁した場合はドブ漬けをもう一回やらなければいけません。
専用のドライエリアを室内に作るメリットは温度調整と湿度調整ができること。デメリットは匂いの問題、部屋の場所を取ること、専用ドライエリアへの出費などなどでしょうか。
ドライヤーやストーブなどを当てると言う方法もありますが通常で6時間の乾燥時間が必要で、ドライヤーを当てても4時間の乾燥時間は必要です。4時間の間ドライヤーを当てることを考えると他の作業をした方が良いと思います。ストーブなどの機器はルアーを各方向から当てなければいけないのでこちらも時間の無駄な気がします。ルアーを回転させるようなイメージです。そして何より、ストーブは火事の原因になり得るのであまりオススメはしません。ルアーを作るくらいで家を無くす可能性を持つことはありません。
目的は「正常に乾かす」ことです。それが成されれば方法はなんでも良いと思いますが、自然乾燥をオススメします。
まとめ
この4工程が終われば、あとはドブ漬けを繰り返すだけです。目安としては10回から15回のドブ漬けが好ましいような気がしています。
仕上げとも言うべきドブ漬けですが、その上に艶消しクリアーや半ツヤクリアーをスプレーすればまた違った顔になるでしょう。ドブ漬けは仕上げと同時に下地処理もかねているのでとても大切な工程です。仕上げを生かすも殺すも下地次第です。
慌てず急がず、とにかくゆっくり、もっとゆっくりやるのがドブ漬けを上手くやるコツです。