マスキングテープ


年始なので1年を楽しむために
いくつかの投稿に「基本」を書いてみます。

今回は塗装用養生テープについてです。
養生は塗装の基本です。養生が出来なければ話になりません。
「養生10年、塗装3年」と言う言葉通り養生は10年かかるほどの技術です。

その中でも、ラッカーテープ、マスキングテープ、紙テープと呼び方は違いますが、
どれも同じ養生用テープを指します。
この投稿ではマスキングテープについての基本を書いてみます。

ガムテープやPEテープはまたの機会に書きます。

マスキングテープにはメーカーでの多少の違いはあれど、
その用途は大きく色によって分けられています。
その色の違いを書き留めたいと思います。

早速いきます。

黄色いのマスキングテープ
黄色のマスキングテープは曲線用です。
車などのターゲットが3Dの場合に用いると便利です。

弧を描けるのが黄色いマスキングテープです。
ターゲットが2Dの場合でも曲線に使える優れものであると同時に、
直線だと思っている線は実は目で確認出来ないくらいの曲がりがある場合が多いのです。
その曲がりを目で見て直線にできるのが黄色いマスキングテープです。

黄色いマスキングテープを使いこなすには少々の経験が必要になるとは思いますが、
ものにしてしまえば怖いもの無しの塗装用マスキングテープです。

3D対応の曲線用マスキングテープは黄色いマスキングテープだけのはずです。

薄緑のマスキングテープ
薄緑のマスキングテープは直線用です。
しっかりした直線を示したいときに役に立ちます。
その反面、直線を曲線に変えるには少々無理がある代物です。

しかし薄緑のマスキングテープを使いこなせれば黄色いマスキングテープとの
併用が可能となるので綺麗な線を示せます。
目に見て美しい線を示すには欠かせないのが薄緑のマスキングテープなのです。

濃い緑のマスキングテープ
濃い緑のマスキングテープは粗面用です。
粗面とは字の如く粗い面に対するものです。

埃が多い場面、凹凸の多い場面、そんな面に対し性能を発揮します。
粗面用マスキングテープを貼るコツは
慌てず凹凸に合わせながら指で抑えゆっくり貼ることです。

粗面用マスキングテープが着かない面はほとんどのテープは着かないとされているので
ピンチの時の最後の救世主と言えるのが濃い緑のマスキングテープです。

白いマスキングテープ
白いマスキングテープは和室用養生テープとなります。
とても技術のいる和室の塗装はシビアなものなのでDIYにはオススメしませんが、
この白いマスキングテープの特徴は、糊が強く水に弱いとされています。

糊が強い理由は和室の塗装には手早さが必要なので
長く貼っておく必要がないので素早く完了させる意味で
接着面の滲み防止を兼ねて糊が強く設定されています。
水に弱い理由は障子紙や襖紙などに使う糊が液漏れしない手早さと正確さが
必要だからです。この手早さと正確さが和室の美しさを作る技術なのです。
糊ではなくテープ自体はとても強い素材で作られているので、
放ったらかしにした場合はテープ自体はいつまでも粘着している結果となります。

プロ技術においても和室を塗装するのには、いつもと違うポテンシャルが必要なので、
和室の各部位の塗装にDIYはオススメしません。

紫色のマスキングテープ
紫色のマスキングテープは弱粘着テープです。
テープの糊が弱いことを意味します。

ターゲットにする面が何かしらで弱い場合には紫色のマスキングテープが役に立ちます。
例えばプラスチック面に水性塗料で塗装した部分をマスキングする場合には
この紫色のマスキングテープが役に立ちます。
接着しにくいプラスチックに対し接着力が弱く柔軟性のない水性塗料は有り得ないのですが、
ターゲットを傷付けたくない場合、紫色のマスキングテープで対応します。

青いマスキングテープ
青いマスキングテープはシール用マスキングテープです。
塗装用では無いことを理解しましょう。

シール施工は端部に目で確認できないほどの厚みが必要です。
その厚みの単位はミクロンとなりますが、
端部にその厚みが必要なため青いマスキングテープは
手で触って分かるほどの厚さがあります。

その逆に塗装用マスキングテープには
実感できる厚さを感じることがないようになっています。
塗装用マスキングテープ選ぶ際には青いマスキングテープは選ばないようにしましょう。

まとめ
色によってその用途が分かれていることを書いてみましたが、
この色分けはメーカー独自の色分けで、
各メーカーが何と無く合わせているという曖昧なものです。
なので、やはり経験は必要となります。

ここで書いた色分け以外にも赤、薄い紫、ピンク、ショッキンググリーンなども
存在するので購入する際には確認が必要だと思います。

極端な3Dをターゲットにしない場合は紫色の弱粘着を選ぶと
ほとんどの場合、トラブルは回避できます。
しかし、紫色のマスキングテープは曲線に対応していないので経験は必要となるでしょう。

DIY塗装の参考になれば幸せです。