色合わせの美学
塗装に関してはわりと得意です。
DIYで塗装を試みる方へ、塗装でもっとも大切なのは、
1に養生、2に掃除、3に下地処理です。
塗装の技術は二の次三の次なのを心得ていると上手くいきます。
養生と掃除が出来ない人は基本的に下手です。
塗装の中でも向き不向きと言うか、技術的なことの難しさで言えば、
色合わせでしょう。
そんな色合わせの参考資料を書いてみます。
早速いきます。
のぼる
塗料には様々な性質の塗料があります。
水性塗料、オイル塗料、ラッカー、ウレタン、少し前ではアクリルと言うのもありました。
さらに昨今では2液の水性塗料や1液ウレタンなどなどに加え専用塗料など
言えばキリがないほどの数です。
その全て塗料に大なり小なり共通しているのが「のぼる」と言う現象です。
これは主に黒味が強くなると言うことを示します。
しかし青やワインレッドなどの塗料は原液の時点で黒が混ざっているので、
黒オンリーの話ではないことを覚えておきましょう。
色合わせで作った色が乾くと少し黒味が強くなって色合わせを失敗した、、、
こう言った状態は「のぼる」ことを意識しないことで起こり得ます。
色の基本色
どんな色でも赤黄青に加え黒白、この5色で構成されています。
5色の原色は各メーカーによって違います。
A社の白とB社の白では白が違う白なのです。
極端な言い方をすると、黒は白にはなりません、白は黒にも出来ます。
青は赤にはなりません、赤は青にできます。
言い方が極端ですが、濃い色は薄くはならないと言うことです。
原色の基準に確定要素はありません。各メーカーの基準に準じています。
色相(彩度)を合わせる
色合わせのやり方は人それぞれですが、まずは彩度を合わせましょう。
必要なのは赤黄青です。
この3色で合わせたい色よりも少し淡い色を目指します。
合わせたい色よりも濃くなったら、ほとんどの場合失敗します。
明度を合わせる
彩度がほぼ近づいたら明度を合わせます。
この時に必要なのは白と黒です。
少しづつ狙う色に照らし合わせ狙う色の2歩前、3歩前でやめます。
調整する
彩度と明度がおおよそ狙う色に近づいてきたら、
赤黄青と白黒、5色で調整します。
この時に気をつけることは「入れすぎ注意」です。
例えば黄色と黒が混ざった状態に青を入れると緑に近づいていきます。
黄色と赤が混ざった状態に黒を入れると茶色に近づいていきます。
狙う色が緑、紫、茶色、または、黄色いクリーム色、赤いベージュ、
どれなのかを確認しながら少しづつ近づけます。
塗料の状態で狙う色とドンピシャになったら、それは失敗です。
前章で書いた「のぼる」現象が乾燥後に起こります。
黒や赤、青などがのぼることは稀ではありません。
どこかに試し塗りをする塗料は少し淡い状態で乾燥を待ちましょう。
たった一滴で変わる
ほとんどの色合わせはたった一滴で色が変わります。
特に気を付けなければいけない色は狙う色が緑系のとき、そして、
クリーム色なのかベージュなのか曖昧な色のとき、見た目にグレーと言われる色、
この3パターンは特に気を付けながら色合わせをしましょう。
緑を狙う時、必ず黄色と青は必要です。青を入れすぎると後戻りが出来ません。
曖昧なクリーム&ベージュを狙う時、全ての原色を入れすぎてはいけません。
グレーを狙う時、白と黒だけで構成されていない場合がほとんどです。
まとめ
色合わせは時間がかかる作業ですが、コツさえ掴めばあっという間にできます。
そのコツを大まかに言うと何度も試し塗りをすることでしょう。
そして対比する他の色に惑わされない目を持つことです。
自分は鮮やかな色を作るのは苦手ですが、
パステルや濁った色を作るのは言うほどでもない時間で出来ます。
鮮やかな色はとても難しい色合わせですが、少々時間をもらえればやり遂げるでしょう。
最後にクリーム色の色合わせをした画像を載せますが、
光の当たり具合でも既存色と差を見せないようにすることが出来ればオールOKでしょう。