食事の作法


久しぶりの作法のお話。
作法と言うか自分に施された教育のお話と言ってもいいかも知れません。

自分に施された教育の中で心から感謝しているのは食事の作法です。
一般家庭に育ったので貴族のような教育は受けてはいませんが、
そんな日常が今では食事の意味さえもとてもありがたく思います。

自分には子供はいませんが、子供が出来たらゴリゴリに教えたいと思います。

戯言のような投稿かも知れませんが、食事の作法、
早速いきます。

食事の意味
食事はもちろん栄養を採るための意味を多く含みますが、今回はそこではありません。
家族と食事をすることは家族の意味を再確認できるでしょう、
友人と食事を共にすることはある種の信頼の証のような気がします。
「席を共にする」と言うことはとてもありがたく重要なことです。

食事の意味は信頼の証であるような気がします。

文化の違い
食事と言っても数えればたくさんの食事があります。
中華料理、韓国料理、イタリア料理、フランス料理、そして日本料理、
そのどれもがオリジナルの作法を持っています。
最後の一口を残すのが「おいしい食事をありがとう」の意味だったり、
ものを口に入れたまま「うまい!」と言うのが感謝の気持ちだったり、
スープは音を立てずに飲むのが美味しい食べ方だったり、
右手だけを使って食べるのが美しい食べ方だったり、
お酒を食前食後に分けるのが料理の美味しい食べ方だったり、色々です。
言えばキリがないですが、
ここ日本はほとんどの世界の料理が食べられる珍しい国です。
日本の食事の作法でOKです。

世界でも日本の食事の作法は色んな意味で美しいとさえることも多いのだから
わざわざ海外の作法を覚える必要はないと思いますね。

日本の作法のその前に
日本には色々な流派があります。
例えば寿司を手で食べたり、蕎麦は蕎麦つゆに一滴だけ浸けて食べたり、
そんなのが有名ですね。
これは憧れて真似する必要はないと思います。

寿司を手で食べる時、寿司だけの食事ならまだ良いとは思いますが、
卵焼き、お吸い物、漬物、旬の刺身、お酒などを一緒に食す時、不格好です。
寿司を手で食べ卵焼きを食べる時は箸を持ち、また寿司を食べる時は素手になる、、、、
面倒です。
そもそも寿司を素手で食べる理由は
シャリが重いので箸では持てないことから始まったそうです。
そして明治時代より前の寿司は握ったらすぐ食べると言う文化だったので素手なのです。
素手で食べる人がツウと思ってたら大間違いです。
今や寿司職人は箸でも崩れない寿司を握ってます。
だいたいツウぶる人の多くは軍艦巻きなどの寿司を寿司と認めず、
そして軍艦巻きの醤油の付け方も知らないパターンが多いです。
ジャパニーズファストフード寿司にツウなど要りません。

蕎麦も同様です。
蕎麦につゆを一滴つけるのはそもそも蕎麦に蕎麦粉の香りを楽しむために
つゆに浸けることを少なくするのです。
この手のツウぶってる人は「蕎麦つゆに浸けすぎると風味が飛ぶ」と言いますが、
蕎麦の風味が味わえるほどのお店で心がけるべきことです。
蕎麦の香りを楽しみたいのは自分も同じですが、蕎麦の香りのする蕎麦は今や希少です。
初めから蕎麦屋のスタッフに「蕎麦つゆ半分より少なくてで良いよ」と言う親切もなく
風味が、、、、風味が、、、、風味が、、、、、飛ぶ?もともとそこにあるのか?
蕎麦屋は蕎麦にもつゆにも万全を期してます。
そのどちらも楽しめる方が良いに決まってます。

食事の作法 ジャパンヴァージョン
一般的に誰しも親から教わったことを守れば美しい食事になると思います。
・口にものが入ったまま喋らない
・くちゃくちゃ言わないで食べる
・右手で箸、左手は茶碗
・箸をつけたものは必ず食べる
・ソースや醤油をかけ過ぎない
・食べれる量だけオーダーする
これくらいは一般的だと思います。

くちゃくちゃ言いながら食べることに関して自分の家では、
「うるさい!」「汚い!」「お前はアホか」と言われて育ちましたが
今ではクチャクチャ言いながら食べることが美しさに欠けることだと
自覚していてその言葉にとても感謝しています。

右手で箸を持って左手を使わない食べ方をすると、
「お前は犬か」「犬なら犬小屋で食え」「左手いらんのなら切ってしまえ」と
今聞けば虐待か家庭内いじめのように聞こえますが、
左手を使わない食べ方も美しさに欠けることを知った今は
この言葉にもとても感謝しています。

ちなみに子供の頃の自分が親や姉に食事の作法で口答えすると、
父親は自分の食事を下げさせて飯抜きになるか家から放り出されました。
姉に口答えするとぶん殴られました。
そのどちらも共通して言っていたのが
「お前のことなんか心配してない、うちの家族がよそ様に笑われるのを心配してんだ!」
とトドメの言葉を撃ち込んできました。
その時はショックでしたが、今となってはその言葉にも感謝しています。

今でも美しい食事の作法かどうかは分かりませんが、
自分の家族が笑われるのは嫌なのでちゃんとした作法で食事をしようと心がけています。

まとめ
ピクニックや遠足に行った時は大いに盛り上がって食べる方が良いですし、
そんな場面なら素手で料理を食べてもOKだと思います。
居酒屋も同じですが、居酒屋の場合は美しい食事を完璧を求めずに
ある程度の食事の作法を心にとめておけばOKだと思います。
あまりにかしこまった席は滅多に無いので心配はいらないでしょう。
上品で豪華な食事は貴族たちに任せて、世界で一番美味い一般家庭の料理を楽しみましょう。

食事を共にできると言うのはある種の信頼の証だと思うので、
その信頼に土を付けないように、末長く食事を共にできるように、
日本の食事の作法を少しくらいは心にとめておくのが良いと思います。