[バイクの話]スペックを読み取ろう


前回の釣竿に引っ張られ、バイクのスペックも読み取りましょう。

バイクのスペックがなぜ重要かと言うと、
釣りや他の遊びと決定的に違うのは「調子に乗りやすい遊び」だからです。

その性能を1mmオーバーしてもほとんどの遊びでは何とかなります。
しかしバイクの場合は、何とかならない場合が多いのでなるべくスペックは把握しましょう。

今回は自分も初心者になったつもりで一緒に勉強してみます。
大切なところ、個人ではどうにもならないところ、何とか変更できるところ、
そんなのを考えながらワクワクしながらやって行きます。

では、早速いきましょう。

スペック表
適当に当て込んでみました。
今回はミサキと言うバイクメーカーのGR-Ckit125と言うバイクを購入検討中と言う設定です。

車名 型式
気になるのはミサキGR-Ckit125が車名では無いのか?と言うところです。
車名型式ミサキ2BJ-JC92は、法律上の車名です。
車検証や自賠責保険証書にはこちらが記載されています。

全長全幅全高
メーカーにやバイクの形によって違うのが全高です。
全長や全幅はそのままの数字で認識して良いと思います。
全高はミラーまでを示すのか?ミラー以外の高さまでを示すのか?は
販売店に聞きましょう。

ホイールベース
違う書き方で「軸距」(じくきょ)と言う書き方も同じ意味です。
ホイールベースは前輪中心から後輪中心までの距離です。
一般的にはホイールベースが短い方がクイックな動きが容易く、
長いと直線の移動が楽とされています。
全長に対しての長さを色々なバイクで比べてみると違いが分かり易いでしょう。

シート高
サイズを示すシート高が改めて記載されているのはそれだけ重要だと言えます。
足がつかなければ話になりません。
そしてライディングポジションに対しシート高がどれくらいなのかを
知るには色々なバイクで比べるしかありません。
個人的にはシート高は高い方が走りやすいと感じています。

重量
バイクそのものの重さです。
装備重量と乾燥重量と2つの表記があります。
装備はオイルやガソリンなど走る前段階の重さで、乾燥は空っぽの状態の重さです。
どちらにしろ走る上では軽い方が有利です。

定員
そのバイクに乗れる法的な人数制限です。

燃料消費率
燃費と言うやつです。これは走り方によって変動するので実際のトリップメーターで
測ることをお勧めします。
ちなみに自分のFZR1000はツーリングで220km、街乗りで160kmでガソリンは空になります。
70kmの差があるので、やはり確認をしながら走るのがベストです。

最小回転半径
ハンドルを右か左にいっぱいに切って回れる半径です。
スペック表の場合、
1.9mなので、道幅が3.8m幅以上あればUターンができると言う意味です。
が、十分な余裕のある道幅で確認しましょう。

エンジン型式
メーカーの指定した製造されたエンジンの番号です。
車名型式と同じ場合が主ですが、違う場合もあります。

エンジン種類
これはなかなか説明に難しい部分ではありますが、
スペック表の「空冷4ストロークOHC単気筒」は、
空気でエンジンを冷ますのが空冷です。
ストロークと言う内容は、吸気、圧縮、爆発、排気の一連の動作を言います。
4ストロークはその一連の動作をピストンの動作2回で行うことを示します。
OHCはエンジンのシステムのことです。
気筒数は、その4ストロークの動作をOHCで動かして何気筒で処理するか?と言う意味です。
今回の場合、
熱くなったエンジンは空気で冷まし4ストロークの動作を
OHCシステムで動かして1本(単気筒)で処理する、となります。

排気量
そのバイクの最大排気量を示します。

内径×行程
これも説明が難しい部分です。
シリンダー内の直径が内径、ピストンの移動距離が行程です。
今回の場合、50.0×63.1なので、50mmのボアを63.1mmストロークすると言う意味です。
その数字の意味はエンジンシステムや気筒数にも関係するので今回は省きます。

圧縮比
難しい話が続きます。
一般的には圧縮率9〜13の間で保たれています。
数字が大きくなると燃費が良くなり、小さくなるとエンジンの構造に負担がかかるようです。

最高出力 / 最大トルク
この部分はなかなか難しい理解になります。
( )の中の数字や単位は正式には昔の単位ですが根付かないのでややこしくなっています。
最高出力を表す単位はkwに変更になったのですがps(馬力)の方が未だ常用されています。
それも何となく分かる話です。
最高出力7.4kw!と、最高出力10馬力!と同じことを示しても後者の方がわかりやすいです。

さて、ここで大切なのは、出力とトルクの違いです。
最高出力は文字通りエンジンが発生させる最高の出力です。
最大トルクはエンジンが発生させる最大の回転力です。
回転力を違う言い方に変えると「軸を回す力」です。簡単に言うとタイヤを回す動力値です。
今回の場合は、最高出力は7250回転で10馬力(ps)が最高値、
最大トルクは、5500回転時に11N.mが最大トルクとなります。
ちなみにN.mはニュートンメートルと読み、
N.mを極めて簡単に言うと、今回の場合1m進むのに5500回転で11N.mの力が発生する意味です。

「トルクのあるバイク」とか「馬力があるバイク」と言う会話がありますが、
細かいことは横において、
「トルクがある」は、アクセルを回すとじゃんじゃん前に進む、
「馬力がある」は上りも下りもスピードが落ちない、と言う風に理解すれば簡単です。

燃料タンク
バイクに搭載できるガソリンの量を示します。

キャスター角度 / トレール量
意味はすぐに分かると思いますが、スペック表に示すくらいなので本質があるのでしょう。
極めて簡単に書くと、
キャスター角度が0に近いほどクイックな動きができます。
トレール量はキャスター角度とタイヤの大きさも関係しますが、
トレール量が多いほど転びにくいとされています。
現実的にはフロントフォークの角度を変えるのは難しいので覚えておく程度が良いでしょう。

タイヤ前 / 後
乗り味として最も大切ではないか?と思うのがタイヤです。
バイクのバーツの中で唯一地面に接している部分です。
タイヤについてはまたの機会に書きますが、タイヤにはタイヤのスペックがあります。
今回は履いているタイヤ(前タイヤ)の120/70-12 51Lの読み方は、
120mmの幅 / 120mmに対しての扁平率70%-12インチのホイール 
51の荷重指数でLのスピードまで耐久、のタイヤとなります。

タイヤの大きさ(ホイールも含む全長)の計算は、
12インチは30.48cm、120×70%=84mm 84mmが上下で×2
30.48cm+(84mm+84mm)=47.28cmが前タイヤとホイール合わせての全長です。
後タイヤ(130/70-12 56L)の大きさを計算すると、
12インチは30.48cm、130×70%=91mm 91mmが上下で×2
30.48+(91mm+91mm)=48.68cmが後タイヤとホイール合わせての全長です。
この数字はメーカーやトレッドパターン(タイヤの溝)によって誤差がありますが、
数字にすると意外に大きい感じですね。

乗り味は人それぞれですが、
個人的には今回の場合、購入後に前タイヤを小さくするか後を大きくするか考えたいですね。

今回のサイズ後方の51Lの部分は、
51は荷重指数(ロードインデックス)で、51は195kgまで耐えれる設定です。
一般的には21〜79まであり数字が大きい方が重さに耐えれます。
Lはスピードシンボルと言い120km/hまで耐えれる設定です。
アルファベットA(A1〜A8)→WまでありWに向かうほど耐えれる速度は上がります。

ブレーキ前後
ブレーキの種類を示します。
これも言えばキリがないのですが今回は油圧ディスクなので安心して乗れそうです。

フレーム
バイクのフレームを示します。
フレームの種類は色々あるのですが、種類とそのイメージを描いてみると
・シングルフレーム / 自転車にエンジンを乗せたような感じ
・ダブルクレードル / CBやZなど
・アンダーボーン / スクーターなど
・セミダブル / オフ車など
・ダイヤモンド(バックボーン) / GPZ、CBR、YZFなど
と言った感じです。これは良い悪いの話ではなく適材されたフレームであり、
フレームも進化していると言うことです。
今回購入(例)しようとしているバイクはダイヤモンド(バックボーン)なので、
もしかしたら、速く走ることを意識している可能性があります。

まとめ
初心者向け完全制覇バイクスペックの見方!とは行かなかったかも知れませんが、
ユーザーが手に出来る確定要素がスペック表です。
初めにも書きましたが、バイクは「調子に乗りやすい遊び」なので、
自分の乗り物を知ることは極めて大切です。

自分もまだ勉強途中ですが、
メーカー公表のスペック表に加えて御自分のスペックをプラスすることを
お忘れないようにお願いします。