ノベル/スパンキーサマー/第19話/第一次世界大戦勃発
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夏樹は王国に帰り氷川王国官邸に入った。テントの中は広いが相変わらず横になった母とお腹を出して寝ている父の姿にため息が出た。最新のドーム型テントも大したことないと官邸に感じる。
「パパ!、、、、お父さん!ねぇ!お兄ちゃんは?」
「ぁ、、、んん、、、お、夏樹か」
「夏樹かじゃないわよ!お兄ちゃんは?」
「忠男は水を汲みに行って、、、、」
「もう!集合!閣僚会議始めるわよ!」
テントを出てタープの下に4人が座った。
「で、なんの会議?」
「お兄ちゃん!パパも!もうなんであんなに意地悪なことをしたの?」
「え?」
「なんの話?」
「立原さんと木崎さんは同じこの島で生きる仲間でしょ!なんで水を止めたり塩を無理やり作らせたり!もー、最悪よ!」
「それは、、、、なぁ、忠男」
「そうだよ。うちが生き残るために必要な作戦って言うか、、、協力も良いけどこっちの方が面白いって言うか、、、、」
「、、、、、、、悪趣味なのよ」
「なんだよ!」
「、、、、、、今日、木崎さんのとこに行ったら、、、」
夏樹は木崎のところで行われた主要3カ国緊急会議の一部始終を伝えた。
「え?」
「え?じゃないわよ!私、ごめんしか言えなかったんだからね」
「どうするんだ、忠男」
「どうするって、、、、戦うしかないでしょ」
「馬鹿なの?向こうの方が男多いし立原さんのとこは弓矢まで持ってるのよ。木崎さんは元自衛隊員でこんな島なんか本気出したら一発で制圧するわ!」
「まぁ、、、そりゃそうだけど」
「だから、私が仲介するから謝りに行こう。これからは仲良くしようって」
「、、、、、、、、」
「、、、、、、、、」
夏樹に半ば押し切られる形で3人は立原の官邸に出向いた。
「あの、立原さん、色々2人には言いましたので、どうか、ごめんなさい!」
夏樹が頭を下げているのを見て渋々と2人も頭を下げた。
「あの、これからは仲良く協力して暮らすのを本当に約束しますから」
夏樹の気持ちも分かったが立原の答えは違っていた。
「ダメです。もう仲良くしません。氷川さん、忠男くん、貴方たち2人がこちらの支配下になるか、私たちが完全に貴方の奴隷になるか、どちらかです」
「奴隷って、、、、、」
忠男がニヤつきながら答えた。それを見た立原元首は怒りを抑えながら強い口調で言い放った。
「忠男くん、いや、忠男!ここに来たのは好都合。明日の夕方から私たちは作戦を決行します。夏樹ちゃんを会議に参加させたのは最後の温情だ。まだ時間がある。あなた方が完全降伏するか、、、、最後は正々堂々と殺し合いましょう」
「ちょっ、、、、ちょっと、立原さん!殺し合うって!ここ、ここは島だけど、日本よ!」
「夏樹さん、貴女とは争うのはうちの香織が悲しむ。どうか、明日の夕方までにこちらに亡命して下さい」
「亡命って、、、、」
忠男が頭をあげ髪をかきあげ斜めに構えて言い放った。
「立原さん!それは宣戦布告ですね!、、、、、こっちが下手に出てりゃ何を言い出すかと思えば、、、、じゃあ、やりましょう!こっちも本気で行くんでそのつもりで!、、、、、夏樹、帰るぞ!」
忠男は夏樹と氷川に後に続くように即した。
「お兄ちゃん!」
「、、、、、ったく、冗談じゃねーよ!こっちは氷川グループだっつーの!」
「今は関係ないでしょ!」
「氷川グループなめんなよ!」
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