[バイク]キャブとインジェクション?
毎週月曜日はバイクのお話。
私ミサキはバイクの免許を獲ったのは、ちゃんと覚えていませんが多分25歳くらい。
それから今の今で乗り続けているのですから上出来です。
25歳と言えばその頃はちょうどキャブからインジェクションに切り替わる初期段階の時期でした。その時期にバイクを買った人は「これ、キャブ?インジェクション?」とよく聞かれたことでしょう。
それがいったい何のことか分からない人も多かったと思います。
今回は「キャブ」「インジェクション」の違いを極めて超絶簡単に書いてみます。
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なぜキャブからインジェクションに?
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排ガス規制が主な要因です。
排ガス規制とは、車(バイクも含む)の排気ガスを規制して環境の大気汚染や健康被害を制御することが目的。
Nox(窒素酸化物)、Co(一酸化炭素)、HC(炭化水素)をできる限り排出しないようにするため明確な数値を決めました。その規制(数値)の条件にキャブ車は適応していないのでキャブ車は生産されなくなりました。そして、2022年1月1日以降キャブ車の生産は(特殊車両を除いて)無くなりました。
排ガス規制自体は1966年(昭和41年)からあるのですが、車(バイクも含む)業界に鉄槌が落ちたのが1998年排ガス規制でした。これにより2ストのバイクは絶滅したと言われています。しかし、まだ何とかすればキャブでも対応できる規制でした。
そして2006年排ガス規制により完全にキャブ車にトドメが刺されます。キャブ車では絶対に対応出来ない数値が盛り込まれたのです。この時点でキャブ車絶滅が決まりました。
そんな時系列を辿りながらメーカーは徐々に徐々にインジェクションにシフトしていくのです。
そして2022年排ガス規制を受け、一部の特殊車両を除きキャブ車の生産は終了しました。
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キャブとインジェクションの違い
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キャブとインジェクションの違いを超絶簡単に説明します。
細かいことを言うとまったく違うシステムですが、イメージはこんな感じ。
一言で違いを言うなら「キャブは手動調整」「インジェクションはオートマチック」みたいな感じです。
キャブは、図にある「空気」は外気温や気圧に応じて変化しますのでそれに応じた燃料に噴射が必要になります。応じた燃料の噴射が適切な爆発につながります。
一方、インジェクションも同じように外気温や気圧に応じて変化した空気が入ってきます。それをセンサー(図では赤い丸 / 感度良好)が感知して適切な噴射を行います。
キャブとインジェクションの違いは噴射のシステムが違うと言うことです。
一見、インジェクションの方が「良いじゃないか!」「便利!」と思いがちですが、手動で調整できない分、自分の求める爆発(乗り味)が求め難くなります。言うなら、「それが同じバイクならどんなにカスタムしようがどいつもこいつも平均的に同じバイク」と言うことになるので、ある意味ではバイクの楽しさは損なわれるかも知れません。
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インジェクションの良いところ
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キャブはもう古き良き時代の申し子のようなものなのでインジェクションの良いところを挙げてみます。
・ほぼメンテナンスフリー
・燃費計算が大きく狂わない(狂った場合コンピューターやセンサーの故障の可能性)
・エンジンの始動が比較的安定している
・季節や行く場所(外気温や気圧)に関係なくエンジンが動く
と、良いこともたくさんあります。
良い言い方をわざとしますが「バイクが安心して乗れる乗り物になってきた」と個人的には思ってます。
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インジェクションよりキャブだろ!
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インジェクションのバイクを見つけると「インジェクションなんてダメダメ!やっぱバイクはキャブじゃないと!」と言う人もいますが気にしないで大丈夫です。
よーく考えてください、キャブ最新のバイクは2002年、20年前のバイクです。
20年前の最新バイクも良いですが、2022年以降のバイクを捕まえて「ダメダメ」は度が過ぎると言うものです。
もし「インジェクションなんてダメダメ!やっぱバイクはキャブじゃないと!」と言うバイク乗りに出会ったのならこの投稿のこの一説を読ませてください。
貴方の楽しいバイクライフに影を落とすような人なら、貴方に代わり私ミサキが言いましょう!
「20年も前のバイクより今のバイクの方が圧倒的に高性能で楽しいに決まっている!日本昔話が好きなのは分かるけどそれは貴方だけの感想だ」
と、いつでも私ミサキは言えますが、キャブの良さを知るのも1つのバイクの楽しさなので温故知新の意味を持ちながら耳を傾けるのもアリです。
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まとめ
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今回、キャブとインジェクションの違いみたいなのを書いたのは、実際には2002年以降もキャブ車は存在しています。海外メーカーだったりレース車両だったり実際は存在しているので、何か良い縁があるのならキャブに乗ってみることも少しだけ視野に入れるともっとバイクが楽しくなるような気がしたからです。
インジェクションのバイクにとらわれずにキャブ車のことも知っているとなんだかワクワクしてきませんか?どちらが良い悪いでは無くどちらであっても楽しみは多い方が良いですよね。
おそらくあと20年もしたらキャブ車は完全に絶滅するでしょう。その前に楽しみが少しでも増えるならその楽しみにワクワクした方が良いですよね。