[バイク] 270°クランクって何よ?

毎週月曜日はバイクのお話。
今回はバイク初心者向けのお話です。

さて、今回は昨今よく耳にする「270°クランク」「180°クランク」「360°クランク」に付いて超絶イージーに解説します。

その意味とかメリットデメリットとか全部省きます。
今回は「何度クランクって何?」の解説だけをします。

このお話は乗る専門店の人には直接関係はありませんが、自分とバイクとのフィーリングみたいなのを感じる1つのヒントになるかも知れません。頭の隅っこに何となく覚えておくと違うバイクに乗った時にフィーリングの違いを感覚ではなく理屈的に理解できるきっかけになるかも知れません。

分かりやすい方が良いので二気筒エンジンで話を進めます。
この投稿の前にこちらを→2スト?4スト?それ何?
==========
クランクって何?
==========
クランクの場所を簡単に言うと、ざっくりここです↓
==========
その270°とか180°って何よ?
==========
これが慣れない人には少々ややこしいんです。少し細分化します。

[ピストン運動]
クランクが2周するとエンジンで燃焼が起こります。
1)吸気(180°)→2)圧縮(360°)→3)燃焼(540°)→4)排気(720°)
この中の(3)燃焼が基本の場所になります。


[AからBを引き算]
例えば二気筒エンジン。
引き算と言うのが簡単なので引き算と書きましたが、実際は今燃焼している(A)の次の燃焼(B)が何度の違い(何度の差)で燃焼になるかと言う意味です。
燃焼は言うまでもなくバイクの走る力になる部分です。燃焼しているAのクランクシャフトの位置(540°)の時にもう一方のBのクランクシャフトが何度の位置に来ているか?と言うのが270°とか180°に通ずる意味になります。

例えばA燃焼(540°)ーB吸気(180°)=360°クランク、となります。

何となくぼや〜っと分かって来ましたね。
==========
360°180°270°のピストンの動き
==========
ウィキペディアに良いのがありました。こちらを先に見た方が理解しやすいかも。
==========
360°クランクのエンジン
==========
Aのクランクシャフトが540°回転(燃焼)の位置に来た時にBのクランクシャフトは180°回転(吸気)の位置にあります。
540°ー180°=360°、、、、と言うことで360°クランクのエンジンです。

[上死点下死点] AとBが同じ動きをしているのでピストンは同じ動きです。
[回転位置の状態] しかし、その運動内容は違います。A燃焼に対しB吸気の運動です。
[360°クランクのバイク] Kawasaki W800 / YAMAHA TAX530 /BMW F800

※上死点下死点(じょうしてんかしてん)/回転が発生しない位置のこと。ピストンが一番上または一番下のことです。
==========
180°クランクのエンジン
==========
Aのクランクシャフトが540°回転(燃焼)の位置に来た時にBのクランクシャフトは360°回転(圧縮)の位置にあります。
540°ー360°=180°、、、、と言うことで180°クランクのエンジンです。

[上死点下死点] ピストンの動きはAが上死点にある時Bは下死点にあります。
[回転位置の状態] Aは燃焼、Bは圧縮、交互にピストンが上下します。
[180°クランクのバイク]Kawasaki Ninja650 / Kawasaki Z650RS / HONDA CB400X / YAMAHA YZF-R25
==========
270°クランクのエンジン
==========
さて、昨今二気筒エンジンで主流の270°クランク、これが少しややこしいんです。
Aのクランクシャフトが540°回転(燃焼)の位置に来た時にBのクランクシャフトは270°回転(吸気の途中)の位置にあります。
540°ー270°=270°、、、、と言うことで270°クランクのエンジンです。

[上死点下死点] ピストンの動きはAが上死点にある時Bはもうすぐ上死点。
[回転位置の状態] Aは燃焼、Bは吸気の途中。
[ピストンの動き] Aをすぐさま追従するようなB。
[270°クランクのバイク] SUZUKI SV650 / YAMAHA YZF R7 / MT-07
==========
まとめ
==========
今回はそれぞれのメリットデメリットは解説しませんでしたが、それぞれメリットデメリットはあります。しかし、それはバイクの種類にもよるので良いも悪いも選び方次第だと言えます。

個人的なことで例えると、YZF R7が270°クランクなので、Ninja 650との乗り味の違いが一番分かりそうな気がします。こればっかりは個人個人の感想は違うので乗り比べるしかないです。

もしバイクに乗っているのならご自分のバイクが何度のクランクのエンジンなのか?を知ることから始めるのも良いでしょう。