ルアーの作り方 ミサキ流 3/5 「入れ込む」


内臓(B面)を作ります。


その前に



その前にアイの目印をつけておきます。

データ(絵)の目玉の部分を穴あけします。同じサイズでマスキングテープを切り抜きます。
その際にレザークラフトで使うポンチがあると便利でしょう。
無い場合はカッターでも切り抜きます。カッターのコツは刃を変えることです。折ることで新品同様になる場合もあります。「刃こぼれしていない刃」を使うのがコツです。




ワイヤーを入れ込みます



写真2 今回は1φの超硬ワイヤーを曲げていきます。


データ(絵)に沿って曲げます。
ワイヤーアイの部分は慣れが必要ですがゆっくりやれば必ず綺麗に曲がります。
丸ペンチやルーフペンチがあると便利ですが千枚通しや目打ちのR部分を使って丸く曲げるのも手です。




キモ ゆっくり、ゆっくり、急ぐ意味がない場面ではゆっくり曲げましょう。



ウエイトを入れ込みます



今回は合計2.57gを入れ込みます。これはスローシンキングを狙って作っている今回の場合の重さです。浮力計算はまたの機会に書きますが、完成した時のルアーの重さを4.8gにしていると言うことは、4.8g−2.57g=2.23gがウエイト以外のルアーの総重量となります。この計算方法は浮力計算から算出できます。

鉛玉6mmを2つ入れ込みます。一つの重さが1.29gから1.31gなので2つでおおよそ2.57gとなります。この時にデジタルスケールの0.00まで測れるものがあれば便利です。


無い場合は公式に当てはめてcm計算で概算します。



6mmの鉛玉の場合

1.球の体積 V=4/3×円周率×(半径×3乗) 
   0.113mm3=4/3×3.14×(0.3×3乗) 
   となります。次に単位あたりの質量を求めます。



2.鉛の質量が1mm3に対し0.0114gなので 

   単位あたりの質量計算は g=体積÷質量 
   9.91g=0.113mm3÷0.0114g
   となります。次に物体の質量を求めます。



3.物体の質量(6mmの鉛玉)=体積×単位あたりの質量 

   1.119g=0.113mm3×9.91g


誤差はありますがおおよその概算式になります。



データを貼って切り込みます



データ(絵)はここでも必要です。どんなに機器が発達しても人間の描いたものが必ず必要なのでしょう。

データ(絵)にはワイヤーラインを書いておきます。それに沿って切り込みを入れていきます。
自分はルーターを使って切り込みをえぐりますが彫刻刀でも十分いけます。


前章「削る」で左右非対称でも大丈夫と書いた理由はこの時点で左右どちらかが厚い場合はそちらを中心に原型を切り込みます。目件にはなりますがワイヤーでは分かりにくいのでウエイト(鉛)で中心線を図ると簡単かもしれません。
左右の原型が合体した時に鉛が一体の中心に来るようにします。
なので同じ深さのえぐりでは無いはずです。


キモ 写真のえぐりは深さ約4mm程度ですが一削り一削り終わるごとに確認しながら掘っていきました。ここでも「急がず」「確認」これらが重要です。ワイヤーとウエイトの両方を何度も装着して左右の原型に隙間が無いようにします。一発で決まる場合もありますが今回の時間は40分くらいの体感でした。



輪ゴムの威力も凄まじい



ワイヤーとウエイトの位置決めが終わったらいよいよ接着です。

ウレタン接着剤を使います。接着剤はウレタンか溶剤かこのどちらかが良いでしょう。
接着剤の話はこちら→接着剤の話 ミサキが思うに


接着が終わったら輪ゴム登場です。接着剤が乾く前に輪ゴムで止めてます。
そして放置します。放置時間は8時間以上。
この時間は長いと感じるでしょう。しかし「乾く」が絶対条件なので安パイを取ります。


キモ 輪ゴムで締めるときは一番太い部分から始めそして細い部分や先端部は優しく締めるのがコツです。今回の場合2本の輪ゴムを使いました。1本目はかなり優し目に締め、2本目は1本目よりややキツく締めました。輪ゴムの性質上、強さに関係なく引っ張り合えば締まるので強さはさほど必要ありません。重要なのは上下左右に均等に締める力が加わることです。


「入れ込み」終了です。

乾くのを待ちながら、ルアーの作り方 ミサキ流 4/5 「ドブ漬ける」に続きます。