[塗装部]塗料の種類 2/2
前回に続く第2話です。
前回のお話はこちら→[塗装部] 塗料の種類 1/2
第2話では少々マニアックなお話と勘違いのないように塗装できるお話を書いてみます。
DIYの参考にしてみてください。
早速いきます。
染めQテクノロジー
希釈剤 /
水または希釈剤無し。
ホームセンターでお馴染みの染めQです。
図解 /
染めQのスゴイところはいくつもあります。
まず、鉄や木などの場合、下地に隙間なく塗料で埋め尽くします。
これによって接着面が広くなり接着の強度が増します。
次に下地が吸い込むような素材(木や布など)の場合、
浸透していくように出来ているようで接着力はさらに強くなります。
染めQが下塗りの場合、仕上げも染めQが良いでしょう。
相性は同塗料で問題なく、浸透していくので下塗りと仕上げが一体となる仕組みです。
メリット /
ほぼ何にでも塗れる。古物が新品のようになる。
ホームセンターで買えるので簡単に手に入る。
値段もそれだけの性能があればかなり安価と思います。
デメリット /
エナメル革などミクロレベルで加工してあるものには接着しない。
実力不明のままDIYの域を出ない。
色はメーカー指定のものを使うのが一般的で独自の色は調色しにくい。
まとめ /
DIYでやるなら染めQは最強アイテムでしょう。
プロ仕様を考えると、材料の価格、トップコートの性能、などが求められますが、
おそらく、今現在発売されている全塗料の中では染めQが総合的に最強だと思います。
可能な塗装 / ラッカー+ウレタン / イメージ
希釈剤 /
ラッカーシンナー。ウレタンシンナー。
図解 /
図は家具などに施されているピカピカした感じのアレです。
基本的な塗料の強度を並べると、
ラッカー>ウレタン>合成樹脂>水性塗料、となります。
異種塗料での相性を並べると
ラッカー(下塗り)+ウレタン(仕上げ)、水性塗料(下塗り)+合成樹脂(仕上げ)の
2種類しかありません。
特殊な仕上がりを求めない限り異種塗料の相性は基本的に2種類です。
メリット /
下塗り(ラッカー)の乾きが早い。ラッカーで厚みが付けれるので仕上がりが美しく見える。
デメリット /
ウレタン(仕上げ)塗布の技術がかなり求めらえる。
まとめ /
下地がどんなものであっても、下塗りのい塗膜厚は仕上がりに影響します。
最も優れた塗膜の作り方はウレタンで下地(下塗り)を作り
ウレタンで仕上げるのがベストですが、ラッカー下地(下塗り )でも可能です。
可能な塗装 /水性+合成樹脂 / イメージ
希釈剤 /
水または塗料用シンナー。
下塗りは水性、仕上げは合成樹脂も可能です。
図解 /
この場合、多くは下地が木の場合に行います。
下塗りの期待する効果は木の吸い込みを止めることです。
合成樹脂塗料に比べると水性塗料の粒子は大きいので木の吸い込みを止めることができます。
それによって仕上がりへの下地(下塗り)が完成します。
プロの施工で仕上がりが粗悪な場合は、下地(または下塗り)が粗悪な場合がほとんどです。
ベストの仕上がりを求めるのであれば下塗りを2回以上やれば仕上がりは容易でしょう。
メリット/
仕上がりが簡単。
デメリット /
下地の材質によって下塗りの出来が左右される。
まとめ /
DIYでこの工法を試みる場合は、塗料の性能よりも下地そのものに気を配ると良いでしょう。
納得のいく下地を作ることに気を配れれば仕上がりは上手くいきます。
やってはいけない施工 / 合成樹脂+二液ウレタン樹脂塗料
希釈剤 /
塗料用シンナー。
同じ希釈剤を使っていても結果は全然違うのです。
図解 /
はじめに覚えなければいけないのは強度です。
図の塗装の3つの強度を並べると、
下地>下塗り>仕上がりでなければいけません。
図では、仕上げ>下塗り>下地と真逆になるのです。
材料にもよりますが一般的には、二液塗料>一液塗料が普通です。
図の施工をした場合、多くは失敗します。
ここで仕上げに二液ウレタン系樹脂と書いてありますが、これは正式名称ではありません。
合成樹脂塗料(または2液合成樹脂塗料など)以外の明記の場合は注意が必要です。
メリット /
ラッキーしかない。
デメリット /
ほぼ全て。
改善策 /
下地が鉄の場合、
下塗りには二液サビ止め塗料または一液(または二液)密着塗料を使いましょう。
下地が木の場合、水性塗料を使いましょう。
下地がプラスチックやFRPの場合は密着塗料を使いましょう。
まとめ /
プロでもよく間違うこの施工なので、仕上げに二液を使うことを避けるのも手です。
今回の総まとめ
色々と書きましたが、DIYを上手く行かせるコツは、
自分が素人だと認識することです。肩の力を抜いて楽しむことです。
失敗を大いに嫌う場合は貴方はDIYには向いていません。
自分が素人だと認識するコツは無いのですが、強いて言うなら、
「俺って、塗装上手いんだよねー」とプロに向かって言う場合は認識していないでしょう。
ちなみにそれを聞いたプロは「あ!そうなんだ!スゴイですね!」と必ず言います。
プロですから。
これからの時代、特殊な仕上がりや工業系の仕上がり以外は、
水性塗料の時代になっていきます。
まだまだ発展途上の水性塗料ですが、必ず筆頭に躍り出るでしょう。
水性塗料をなるべく多く使いこなすことが、プロに課せられた義務のようなものです。
そしてその経験がやがてDIYへと降りていきプロにも思い付かないアイデアが生まれます。
もし、塗装を少しでも長く上手にやりたいのであれば水性塗料の探求をオススメします。