[釣りの話]初心者向け ロッド(竿)の選び方

釣り道具の初心者向け考察投稿です。
以前書いたのは、
リールの選び方→初心者向けリールへの道筋
ラインの選び方→初心者向けライン選択術
がありますので参考にしてみてください。

今回も答えの無い答えを探す旅です。
自分に合ったロッド(竿)を探していきます。ここではリールやラインの性能は省きます。
ロッド単体を考察していきます。

早速いきます。
======================
大前提として
自分に合ったロッドを選べるかどうかです。
ミサキ的には、メーカーもエントリーモデルもハイエンドモデルも関係ありませんし、
値段そのものに決定権はありません。
シーバスロッドでもメバルは釣れますし、エギングロッドでもブラックバスは釣れます。
フカセ釣りロッドでもワラサは釣り上げられます。
XXXXXロッドと言うのもここでの指標には入れません。
そして何度も言いますが、釣りと言う魔物は答えの無い旅なのです。

重要なのは「自分がどう言う魚釣りをしたいか?」ただそれだけが重要です。
他には無い考察になり参考になれば嬉しいです。
======================
設定
ここでの話をスムーズにするために図の中の設定は、
黄色のロッドまたはキャストラインは長めの硬い竿、
ピンクのロッドまたはキャストラインは短めの柔らかい竿とします。
======================
竿の有利性1
釣りにおいて遠くに飛ばせる方が有利です。
100mと30mの飛距離では釣果に差が付きます。
狙える面積が違うのです。

一般的には、長い竿7ft〜11ftくらいが遠投に向いていて、
6ftくらいまでがちょい投げに向いていると言われています。
ここでは1ft=30cmで計算します。
10ft(3m)のロッドの多くは「近くより遠くのポイント」を攻めるのに楽です。
6ft(1.8m)の竿でも100m飛ばせる方もいますが相当な腕前なので参考にならないでしょう。

その逆に10ftのロッドで手前5mのポイントを狙おうとしたら水面まで
ラインが最短2mで良いことになります。10ftの竿で5m以内を狙うのは難しい釣りです。

どの面積を狙うかで竿の選び方の1つ目が決まります。
======================
竿の有利性2
横から見た図です。
100m投げるとしたら理想の弾道は緑の点線ですが、実際には無理でしょう。
なので遠くに投げるには高く投げなければいけません。
上に上がれば上がるほど風の影響を受け、正確なキャストが難しくなります。
黄色ピンク共にキャスト後の竿先が同じ角度にあり同じスピードでリールを巻いたとしたら、
黄色いキャストは手前までボトムを攻めきれません。
ピンクのキャストは言うまでもなく30m以上の場所を責めることが出来ません。
しかし攻める場所の面積が大きいのが黄色のキャストです。

風の影響を受けずに、大きな面積を狙える、そんな竿が理想と言えます。
======================
竿の曲線動作
少々分かりづらい図ですが、この部分はキモなのでなんとか説明したいと思います。

左の図は釣れるまでの魚の動き、右の図が人の動作です。

魚がかかって寄せてくるまでの一連の動きは、1)は魚の動作、2)は人の動作で
1)かかった!→魚が走り出す→
2)竿を立てる→リールを巻きながら竿を下げる→竿を立てる→、、、、
(2)の繰り返しでの巧さで勝負が決まります。

左の図は左魚から右魚になる状態を作らなければ釣れません。
早くそして上手にこの状態にすることが求められます。

左図の真ん中魚のこの瞬間は右図の緑の矢印の動作時間です。
右図の緑の矢印は「リールを巻きながら竿を下げる」時間です。
リールを巻くと魚は寄ってきますが、同時に竿を下げなければいけません。
竿を下げることでラインテンションが無くなり巻き上げやすい状態を作ります。
この一連の動作を繰り返すのですが、
ここでどれくらい魚をその場所から動かさないかが勝負の鍵になります。

赤い矢印の終点は竿を立てた状態です。
ピンクの竿は柔らかいので曲がったままです。黄色の竿は硬いので割と直線です。
曲がると言うことはテンションがかかっていると言うことです。
ピンクの竿は下げた状態でも立てた状態でもある程度曲がっています。
それはどの状態でも幾らかのテンションがかかっていると言う意味です。

竿にかかるテンションを数字で表すと、
かかった!時のテンションが1だとしたら、
魚が走り出し2になりますが食い止めます。ここが赤の矢印の終点の位置です。
2のテンションをゼロに近づけます。ここが緑の矢印の時間です。リールも巻きます。
しかし、赤い矢印の動作がすぐに待っています。
2の力で走り出した魚は2以上の力で無ければ寄せることが出来ません。

魚がかかった!→魚が走り出す→竿を立てる→リールを巻きながら竿を下げる→竿を立てる、
と言う順番になり、その負荷を数字に置き換えると、
ピンクの竿だと、1→2→2→1.2→2以上と言った感じの力がかかります。
黄色の竿だと、 1→2→2→0.2→2以上と言った感じの力になります。
1.2から2.1にするか、0.2から2.1にするか、これはラインにかかる負荷限界に委ねられますが、
プラスされる負荷はなるべく小さい方が良いのです。
ピンクの竿の場合、2以上の力にするのに瞬発で+0.8以上が必要です。
黄色の竿の場合、2以上の力にするには瞬発で+1.8以上が必要です。
この数字からリスクを避けるにはピンクの竿の方が有利だと言えます。

かかった時の竿のシステムで選ぶ硬さが決まります。
今回は調子は省きます。それはまたの機会に書きます。
======================
ここまでのまとめ
今回は少々長くなりますが、ここまで書いたことをまとめると、
長い硬い竿(黄色い竿)は、大きな面積を狙えるが魚を寄せてくることが難しい。
短い柔らい竿(ピンクの竿)は、小さな面積しか狙えないが魚を寄せてくるのが簡単。
少々極端な書き方をすればそんな感じです。
======================
竿の硬さ
硬さはメーカーによって設定が全く違います。
今や各メーカー独自に細分化されていて、何がなんだか分からない状態かも知れません。
大きく分けて、
L(ライト)、M(ミディアム)、H(ヘビー)、の3つで考えると楽でしょう。

初めて買うならMをお勧めします。それは万能な性能を持つからです。
特化した性能はありませんが、考えることが少なく釣りにトライ出来ます。
ML(ミディアムライト)が主流の昨今なのでMLでも良いと思います。

釣り場に立ったらいちいち竿のことなんか考えてられません。
各メーカーの竿の硬さをいちいち比較しても何の役にも立ちません。

自分が「あ!これ、かっこいい」と思った竿のMまたはMLから始めて、
慣れてきたら自分の欠点とやりたい釣りが見つかります。
それから細分化された竿の特性を絞り込めば自分自身にとって究極の釣りへと向かえます。
まずはMまたはMLからスタートすることをお勧めします。
======================
ターゲットを決めよう
リールの回でも書きましたが、タックルを決める簡単な方法はターゲットを決めることです。
黒鯛、ブラックバス、メジナ、メバル、シーバス、トラウト、イカ、、、、
色々ありますが、ターゲットが決まれば話は早いです。
例えば、ターゲットはシーバスにしましょう。

では、どこのシーバスを釣りましょうか?、、、フィールドです。
磯、堤防、港、ごろた、船、渡船、、、、、、、、
よりリアルな方が話は早いです。
「沼津のXXXと言う磯でシーバスにトライしたい!」となれば次はルアーです。

どんなルアーを使いたいか?
クランク、トップ、ジグ、ミノー、ボトムを攻める、、、、、、
などなどありますが、今回は、ミノーにしましょう。

シーバスを磯からミノーで釣りたい!と決まれば竿の種類はかなり限定されます。
その中から自分のフィーリングに合いそうな竿を選ぶだけです。
竿が決まればリールが決まります。

リールが決まれば、ミノーを2〜3つ選びましょう。
ミノーが決まれば、ラインやリーダーが見えてきます。

ターゲット→フィールド→仕掛け→竿→リール→ラインの順番です。
ターゲットを決めれば順を追っておおよそのタックルの検討が付きます。
======================
まとめ
今回は長くなりましたが、全体をまとめると、
その竿で狙える面積とかかった魚を寄せる性能をメインに書いてみました。
何でも釣れる竿が無いから、竿の理由が必要なのです。

竿の決め方は、ターゲット、場所、釣り方、この3つが重要です。それと予算。
ご自分の財布をオーバーフロウするような釣具の買い方はやめましょう。
何度もトライできる状態を保つことこそ釣りを楽しむコツです。

最後に。
釣りで最も大切なのは、竿でも理屈でも貴方の財布でもありません。
最も大切なのは水です。
釣り人が水を汚すことの無いように釣りを楽しみましょう。