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ルアーの作り方 ミサキ流 4/5 「ドブ漬ける」

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ここまで来たらあと少し。 諦めないで最後まで行きましょう。 この章「ドブ漬ける」は最も作業の無い章です。 楽チンです。 人によって違いますが自分は基本5回のドブ漬けをしています。それが6回になることもありますが基本は5回です。 セルロースセメント2度目の本格登場 この章の主役はセルロースセメントです。 自分は2種類のセルロースセメント を3分割して使っています。 C1 「削る」で使ったセルロースセメントです。これは汚れOKの缶としています。木屑が出る場合に使用しています。なので中はやや濁った透明です。 C2 仕上げ専用です。色流れが起こることもあるので純粋な透明とは言えませんが極めて透明感のあるものになってます。 W2 セルロースセメント 白です。これは使わなくても良いかもしれないのですが時として便利なので使ってます。 ドブ漬け1回目 使用缶はC1。 ここ重要です。「削る」に書いた「ドブ漬ける」の項目にあるようにゆっくりゆっくり沈ませて行きます。完全に沈むまで30秒かけます。完全に沈んだら1分そのままキープ。そして上げる時も30秒かけてゆっくりあげます。 ここで重要なのは1分の沈み時間の中でできる限りエアーを抜くということです。 そして上げる時が最も大切でルアーから滴り流れるセルロースセメント よりも遅い時間をかけて上昇させることです。液垂れをなるべく少なくするためです。 漬け終わったら乾かします。項目全ての乾燥時間6時間以上。 ドブ漬け2回目と3回目 使用缶 C1でもC2でもOK。 2回目からはゆっくり漬け込むことには変わりないのですが、そこまで時間を機にすることはありません。吊るし用のワイヤーを1回目は頭のワイヤーアイに掛けたなら2回目は尻尾のワイヤーアイ、3回目は頭と交互に付け替えます。これは最後の最後まで同じです。 3回目が終わったら 3回目が終わったら確認します。この時にサンドペーパー番手400番で軽く研ぎます。 軽くというのはささくれを取る程度の強さです。 ここまでに度々凹みや大きな傷を確認しましょう。 あまりに大きな凹みや傷を見つけたらパテ埋めして番手400番で均(なら)します。 4回目 セルロースセメント 白の登場です。これも時間はあまり

ルアーの作り方 ミサキ流 3/5 「入れ込む」

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内臓(B面)を作ります。 その前に その前にアイの目印をつけておきます。 データ(絵)の目玉の部分を穴あけします。同じサイズでマスキングテープを切り抜きます。 その際にレザークラフトで使うポンチがあると便利でしょう。 無い場合はカッターでも切り抜きます。カッターのコツは刃を変えることです。折ることで新品同様になる場合もあります。「刃こぼれしていない刃」を使うのがコツです。 ワイヤーを入れ込みます 写真2 今回は1φの超硬ワイヤーを曲げていきます。 データ(絵)に沿って曲げます。 ワイヤーアイの部分は慣れが必要ですがゆっくりやれば必ず綺麗に曲がります。 丸ペンチやルーフペンチがあると便利ですが千枚通しや目打ちのR部分を使って丸く曲げるのも手です。 キモ  ゆっくり、ゆっくり、急ぐ意味がない場面ではゆっくり曲げましょう。 ウエイトを入れ込みます 今回は合計2.57gを入れ込みます。これはスローシンキングを狙って作っている今回の場合の重さです。浮力計算はまたの機会に書きますが、完成した時のルアーの重さを4.8gにしていると言うことは、4.8g−2.57g=2.23gがウエイト以外のルアーの総重量となります。この計算方法は浮力計算から算出できます。 鉛玉6mmを2つ入れ込みます。一つの重さが1.29gから1.31gなので2つでおおよそ2.57gとなります。この時にデジタルスケールの0.00まで測れるものがあれば便利です。 無い場合は公式に当てはめてcm計算で概算します。 6mmの鉛玉の場合 1.球の体積 V=4/3×円周率×(半径×3乗)     0.113mm3=4/3×3.14×(0.3×3乗)     となります。次に単位あたりの質量を求めます。 2.鉛の質量が1mm3に対し0.0114gなので     単位あたりの質量計算は g=体積÷質量     9.91g=0.113mm3÷0.0114g    となります。次に物体の質量を求めます。 3.物体の質量(6mmの鉛玉)=体積×単位あたりの質量     1.119g=0.113

ルアーの作り方 ミサキ流 2/5 「削る」

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削っていきます。 この「削る」と言う作業が全編においてもっとも重要な章になります。 内容も長いものとなります。 気構えとしては「慌てない」「欲張らない」「お酒を飲まない」「必ず確認」です。 一気にやろうとするのは失敗の元となります。 時間も書いていく場合もありますのでご参考に。 まず使うもの 一番初めの段階で使うものは写真にあるように 削る木、データ、です。 木のサイズを書いているのは、同時に浮力計算もしたので書いています。 浮力計算はまたの機会に書きます。今回は作り方のあらましです。 データは左右と上を用意します。PCの場合、尺寸が分かり線と円が描けるアプリなら何でもOKです。実サイズで作ると手間が省けます。 PCが無い場合は手書きでOKです。左右対称はルアーの形を描いたらトレースして転写でも出来ますし、用紙の裏側を透かしてみればそこからトレースできます。この時点で寸分狂わぬデータ(絵)は必要ありません。 のり バルサ材にカットした絵を貼り付けます。 乾くまで待ちます。放置で約30分。 乾いたらカットします。絵の線を切るのではなく線を残す感じで上から下に真っ直ぐに切ります。一発で切るのではなく少しづつ線に近づいていくように2〜3回くらいで切ります。この時点で線にジャストの美しい切り口はさほど重要ではありません。上から下に対し真っ直ぐ切れていることを意識します。斜めになっていてもOKと言えばOKですがなるべく真っ直ぐに切ります。 切り終わったら2つを重ねて厚みを測ります。 現在16.9mmですが、合計の厚みを1.2mmにします。 16.9mm−1.2mm=4.9mm÷2=2.45mm 左右の厚みから2.45mm切り落とします。カッターで2mmくらいを目安に真っ直ぐ切り100番のサンドペーパーで0.45mmを削ります。100番のサンドペーパーは一擦り0.2mmくらいの目安です。 キモ  切りすぎない。削りすぎない。予定より少し残ってるくらいがちょうど良いです。 ルアーを決定づける上部分 今回は75mmのミノーを作っています。 上部分のデータ(絵)は重要です。慎重に切ります。 こちらも線を少し残すくらいで切り落とします。 両面テープ

ルアーの作り方 ミサキ流 1/5 「段取る」

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ルアーの作り方 ミサキ流です。 機械を使って作る方法もあるのですが、今回は90%くらい手作業での作り方を解説。 道具に関しては人それぞれなので参考にしてご自分に合った道具を見つけてください。 要領解説くらいの気持ちで書きます。 今回は75mm 4.8g ミノー(リップなし)を作りたいと思います。 その制作過程は、 第1章 / 段取る 第2章 / 削る 第3章 / 入れ込む 第4章 / 漬ける 第5章  塗る の全5話となります。 段取る 必要なものをザザッと書きます。実際には応用の効く道具もあり不必要なものもあるかと思いますがうちにあるものを書いて見ます。 削る 削る木 / 今回はバルサ材を使用します。削る木もなんでも良いのですがバルサ材は柔らかく削りやすい集成材です。 カッター/ デザインカッターがあればそれが良いですが一般的にどこにでもある刃幅9mmの小型カッターでも十分いけます。 サンドペーパー/ びっちり仕上げるのは細かく必要ですが番手100、160、400、1000、2000、このくらいで十分です。100、160、1000だけでも上手に再利用すればこの3つでもいけますね。 鉛筆と紙またはデータ / PCが無くても鉛筆と紙でデータを作っても楽勝です。 のり / これは「削る」「入れ込む」の共通の道具となります。 ノギス / デジタルが楽ですが定規でも大丈夫です。 ルーター / 無い場合は彫刻刀でもいけます。今回はルーターを使用します。 アイを測る治具 / これは本文にて説明します。 入れ込む ワイヤー/ 1φのワイヤーを使います。超硬ステンレス、天秤用、そのような表記の釣りに特化したワイヤーが好ましいと思います。 ウエイト / これもなんでも良いのですが円形楕円形の鉛が使いやすいです。 ニッパー / 小型のものが使いやすいです。 ペンチ/ 色々と名前(商品名)が違うので形を書きます。先の長いラジオペンチ、先曲がりのラジオペンチ、この2本があればいけます。余力のある方は丸ペンチ、ルーフペンチなどがあれば十分です。 デジタルスケール / 重さを測ります。今回の場合スローシンキングを狙って行きますので必要です。完全なるシンキングまたは完全なるフロートであればあまり必要ないかも知れ

複雑民族 vs 単純民族

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言うまでもなく自分は単純民族です。 単純はシンプルと言う意味なのですが、単純とシンプルでは印象が違うのが不思議なところです。 単純(シンプル)な方が話が早いので単純民族に属しています。 複雑な民族はややこしいし答えが見つからない傾向にあるような気がしています。 ぜひ単純民族に勝利を納めてほしいので必勝法(?)を書いてみたいと思います。 こんなセリフを言われたら 複「あんたとは価値観が違う!」 単「当たり前のことを堂々と言うなって!お前は政治家か?」 複「君は勉強が足りない」 単「貴方は勉強しすぎだって!」 複「貴方は何も分かってない! 単「全てを知ってたら貴方とは話さないよ」 複「私のことを何も知らないくせに!」 単「だから何度も言うように当たり前のことを堂々と言うなって!」 複「年金は必要な制度。税金も社会制度として必要に決まってる」 単「聖者の決めたことなら文句も言わずに従いますよ」 複「貴方、何をしてるんですか?」(注意や嫌味) 単「何をしてたら嬉しいですか?」 単「やっぱブルースは最高だね!」 複「正確にはブルーズね、ブルーズ」 単「うるせえよ」 などなど シンプルに応えましょう。 相手が嬉しいか怪訝かをこちらが決めてはいけません。 言い争いの気配がしたら 言い争いの原因は様々ですが、2つの確認が必要です。 一つは同じゴールを目指しているか、もう一つは全く違う論点ではないか、この2つは確認しましょう。 前者の場合でも方法論が違うと言い争いになるでしょう。しかし、これはゴールさえ切ってしまえばお互いが握手で終えることが多いと思われます。 後者はややこしいです。 例えば原発と原爆、例えば新型コロナとインフルエンザ、例えば第二次世界大戦と緊急事態宣言、沖縄基地問題と軍需産業、どれも似てますが論点が全く違うことが多々あるかと思います。その逆にどれも同じ問題を解決しなければいけない場合もあるでしょう。 歴史を紐解くと言う観点や内容確認のおさらいと言うことでは同じですが、 どちらの(何の)話をしているのか?と言う確認も難しい場合が多いでしょう。 そんな時は「少々話が混ざりすぎたからこの話はまた次回にしよう」や「もう少し時間をおいてから意見を交換しよう」と言い切るのが大

[塗料の話] 黒くは塗りつぶさないがRe-made by japanの実力

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玄関扉(木建)を塗り替えました。 ほとんどの木製品にはオイルステイン(OS)と言う手法が使われています。楽器もそうです。 楽器と家具の違いはトップコート(フィニッシュ)が違うところです。 今回はOSからウレタントップまでをご紹介。 余談ですが「ちゃんと働いてるの?」と今でもたまに言われますが、ちゃんと働いてますし、けっこう良い仕事してます。 DIYを志す方には少々難題かも知れませんが、「プロはこうやってやる」と言う参考程度に読んで頂ければ助かります。 現状から剥離 状態にもよりますがクリア(トップコート)が完全に死んでる場合は下地の色があせてきます。それをできる限り剥離(はくり)します。 剥離剤を使うときは、これでもか!と言うくらいの安全の確保が重要です。 剥離剤が目に入ったら最悪の場合失明します。爪の間に入ったら3日くらい痛いです。その爪の細胞が腐敗する場合もあります。口に入ったら器官までも犯します。入院も可能性としてはゼロではありません。なので、防護メガネ、マスク、ゴム手袋は絶対条件です。 剥離から染色 染色は好みによりますが、改修(塗替え)の場合はほとんどが既存の色よりも濃い色となります。もし既存の色を望むなら剥離に加え灰汁洗いと漂白が必要です。剥離、灰汁洗い、漂白、この3工程を何度か行い白木まで戻します。実現可能ですが現実的ではないことがほとんどです。 今回はオーナーの承諾を得て重厚な色へ変えて行きます。 染色 今回は染色(オイルステイン)にちょっとした工夫をしたのですがそれは比較するものが今回はないのでまたの機会に詳しく書きたいと思います。 色の原則として赤と黄色、そして黒、これが建築で使われる主な原則です。なぜこの3色なのかはまたの機会に説明しますが、それ以外の色は建物に不似合いなのです。扉が緑でも水色でも良いですが扉に合わせた建物を作ることは有意義ではないでしょう。全体のバランスを保つには赤、黄色、黒、この3色で十分なのです。 染色からサンディング サンディングは説明が難しいのですが、染色した塗料を定着させる役目とトップコートとの接着力を高める役目です。そして何より塗膜を作るのはこのサンディングが効果的です。 古くはトップコートオンリーで塗膜を作るのが主流でしたが

たまには LOVE山口県 3/3

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一昨日、昨日の続きです。 「たまには LOVE山口県」最終話は「観光」です。 基本データ 大きなアミューズメントを希望の方は大阪や福岡が良いかも知れません。 山口県には何もありません。「何もない」を良いと思うか悪いと思うかは人それぞれですが「何もない県」が日本にあるとしたら山口県しかありません。 何もない風景は絶景をも生みます。何もない町には静寂があります。 何もない県には何かがある県に無いものが溢れています。 山の涼しさ、海の匂い、浜辺で売られる焼きぞば、小さな川の流れる音、小さな駅にある激ウマのうどん、どこにでもありそうな食堂の全部が美味い、山を越えたらいきなり海、 そんなのを求める人には山口県観光ほど良い場所はないでしょう。 最後のこの章では下関、山口市、萩市にフォーカスしたいと思います。 萩市 山口県東部に位置します。萩市は町全部が観光地と言っても過言ではありません。 指月公園に続く菊が浜の夕焼けは絶景です。 町が小さいので1日あれば余裕で周れます。 歴史好きの方には松陰神社総本山に行って欲しいですね。驚きますよ。 出雲大社と変わらないんじゃないかと思うほどの雄大さを持っています。 松陰神社を中心に明倫館、伊藤博文旧家、高杉晋作旧家もおすすめです。 高杉晋作旧家へ行く道のりは白壁続くノスタルジックな道のりです。 明倫館は町のほぼ中心にあるので街中と言った感じ。 おすすめは伊藤博文旧家への道のりです。何もありません。萩の山間から吹き下す優しい風と霧の立ち込む朝、近くの川を越え路地を曲がったら背景には壮大な山のそびえる伊藤博文旧家が小さくそこにあります。 何もない町を楽しむ最高の町が萩市ですね。 お腹が空いたら「どんどん」と言ううどん屋がおすすめです。自分は「俺たちのどんどん」と言ってますが山口県東部の学生から社会人までどんどんの味にお世話になっているのではないでしょうか。どんどんが味わえるのは萩市と山口市の2箇所です。 山口市 山口県東部に位置します。 ことらも歴史好きにはたまらない場所です。歴史好き以外の方には一の坂川の散歩をおすすめします。ほたる祭り(5月下旬から6月)と言うのが毎年開催されていますが小さな川に無数のホタルが舞い上がるのを見れるのは一の坂川だけでしょう。小さな川と言う