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8月, 2022の投稿を表示しています

[ノベル]スパンキーサマー/第15話/代償

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=========== しかし事件はすぐに起きてしまった。忠男が立原の家に怒鳴り込んでいた。 「あんたねー!あんたのとこの水、あれ飲んだから夏樹が体調崩しただろー!ちゃんと濾過器の掃除、やってんの?飲み水って言うんだから清潔だよね?水飲んで体調を崩すなんてあり得ないよ」 考えてみれば素人が作った濾過装置でこの状況で掃除などの清潔感を保つことまで気が回らなかった。しかし忠男の言うことが言いがかりかも知れない。夏樹が体調を崩したのが水のせいだとは確定できない、、、、が、そうでないとも確定できないのだ。 「はぁ、、、すみません」 「まったく、、、この責任は取ってこもらいますからね!」 責任のペットボトルに水3本と示談金は5千円だった。 「ほんと、木崎村と言い、立原村と言い、ちゃんとやってください!」 「木崎さんのとこも?」 「ええ!猪がテントの周りを荒らすは、もらった塩がいつもより灰色だったり、、、、まったく!」 木崎への示談金は1万円と言うことだ。 これだけで済めば良かったがクレームは立て続けにきた。そのおかげで木崎村にも立原村にも現金が無くなった。 そして最後のクレームが来た時に氷川に思惑が読めた。 「え?現金が無い?じゃあ、どうするんですか?」 「水で勘弁、、、水と山菜で勘弁してもらえないでしょうか?」 「水と山菜?」 「はい」 「、、、、、それは話が違うと言うか、、、、」 「しかしうちにはもうお金が無いんで、、、」 「じゃあ、氷川王国から借金するか、、、、それか、領土を下さい」 「借金?領土?」 「はい。借金の場合は1000円に付き金利5万円で本土に帰った時に請求します」 「金利、、、取るんですか?」 「当たり前でしょ。本土に帰った時に現金で返してもらいますよ」 「でも1000円に付き5万円は、、、、、、」 「じゃあ、領土をください。氷川王国は海沿いだけしか無いんで山の幸に乏しいんです。ちょうど木崎村と立原村の真ん中、、、、そうですね、真ん中を5mくらいで頂上まで下さい」 「え?」 断る理由もなかった。元々タダで住んでいる場所で勝手に決めた境界線だ。実際の現金を回収されるよりマシだ。 「良いですよ、、、でも木崎さんにも断りを」 「大丈夫です。あちらはもう了承済みですから」 「あ、、、はい」 「それと木崎さんちに行くなら山の向こうから回って下さい。真ん中の5mの道は

[バイク] YZF-R7の夏 ミサキの夏

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インスタグラムやってます。フォローして頂けるとモチベ上がります。 misaki_tomoyuki 撮影 studio Ride バイク写真館

[2022年 お金の話]第16話 現金 見込み 実利益

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第二第四金曜日はお金の話。私ミサキが約2年かけて月末ピンチを脱出した実話に基づき1年de まとめ書いています。 第16話までは基礎、ベースになるものだったので何度でも往復しましょう。 このお話の第1話はこちら→自分を知る 第16話からはベースが出来た方に限り進んでください。 ここからは実務と言えば実務なのですが、ベースが無いまま進むと頭の良い馬鹿になる可能性があります。 ここではお金の理論やお金を手に入れる方法を書いてはいません。 月末ピンチ脱出! これだけが最大で唯一のテーマです。 今回、第16話は私ミサキが「月末ピンチ脱出」のために初期段階で再理解したことを書いてみます。 大きくは、現金、見込み、実利益、この3つを柱にしなければ話は進まなかったでしょう。 ============= 現金 ============= 現金とは、財布に入っているお金と貯金です。それらを現金と言います。 それまで貯金は貯金で、現金は現金だと思っていましたが、現金と貯金は現金です。 この部分をそれまでは曖昧に理解していた気がします。財布にあろうが銀行口座にあろうがそれは現金として理解し始めました。 当たり前の話と言えばそれはそうですが「財布に2万円、口座に5万円」と言った垣根がある方は「現金」を分けていると思われます。分ける必要はありません。2つ合わせて現金と言う認識で進みましょう。 ============= 見込み ============= 見込みとは入ってくる収入予想のことです。「今月給料いくら」みたいなことです。 そして大切だったのは月収感覚から年収感覚にシフトしていくことでした。 この時から一気に年収感覚になったわけではなくそれに慣れるまで少しづつ少しづつシフトした記憶があります。 見込みを立てますが、それはなかなか現実を理想へとシフト出来ないものでした。 見込みはいくらでも良いのですが第1話〜第3話の例に沿って現実的にいくらあれば良いのか?と言うのが必要で、その逆に未経験の年収を想像するのは難しいものです。 しかし、見込みを立てるしかないので立てました。 給料制の方で年間の収入が決まっている方が「それは無理だよ、給料決まってるもん」と思ったのなら「必ず月末ピンチを脱出してやる」と言う覚悟がない状態なので第1話から何度でもやり直しましょう。 覚悟を決め見込みを決めてから今日

[ノベル]スパンキーサマー/第14話/条件の正立

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============== 翌日、木崎と立原は氷川王国に返事をしに山を降りた。 「返事は?」 忠男が後座に2人を招いて座った。 「まずこれ、、、」 木崎はペットボトルの底に少し溜まった塩を出した。立原はペットボトル1本を出した。 「これは、、、、条件と違いますが、、、、」 「条件は飲まない」 「え?」 「条件は飲まない」 「え?火ですよ?火いらないの?」 「昨日もらった火は返しません。そしてこれはお裾分けです」 「お裾分け分け?」 「ええ。そちらに協力する姿勢が無いならお裾分けも今日で最後です。火がもし雨で消えたら氷川さんちの火を力付くで奪いに来ます」 「え?」 「水は木崎さんとはお裾分けし続けます」 「え?」 「火はそのうち種火を点ける方法を見つけ出すでしょう。そうなったら忠男くんの火はもう必要ないです。むしろガスバーナーでしか火を点けれないならこちらの火が必要になる時が絶対にくる」 「ちょっと、、、、それって」 「あと、この島で境界線を決めました」 「境界線?」 「ええ。見るところ氷川さんのお宅で食糧を調達出来るのは夏樹ちゃんだけで、うちも木崎さんの家の周りは猪もいますし鳥もいます。水は私の家のすぐ近くで濾過出来ますし、塩は木崎さんのお宅からもらえます。夏樹ちゃん1人では猪も無理ですし塩を持ちながら水を家族分運ぶのはキツいでしょう」 「え?」 「もし食糧にお困りであれば、境界線の外で獲れた食糧はこちらの資源なので獲れた食糧に対し火を頂きます」 「境界線?」 「と言うか、、、忠男くんの領土では火しか無いんですよ。火と夏樹ちゃんが採ってくるわずかな貝や蟹しかないんです」 「領土?、、、それは、、、、」 「と言うのが木崎さんと私の答えです」 「勝った!」と木崎も立原もそう思った。忠男は交渉のままごとしか出来ないことを思い知った。 そこに氷川がテントから出てきた。 「良いじゃないか」 「え?」 「立原木崎共和国の条件、、、、国境で良いじゃないか。どうせうちは食糧部は夏樹だけだ。お裾分けをもらった方が良い」 2人は大人の答えを言う氷川にホッとした。 「しかし、、、、しかしねぇ、、国境の外で獲れた食糧はお裾分けか火で返すが、そちらの国境の資源がこちらに迷惑をかけた時はどう責任をとってくれるのか?」 「え?」 「え?」 「ですから、うちの国境、うちの国境の中には猪はいない、

[バイク]危険回避 追い抜きでのこんな場面

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毎週月曜日、このブログではバイクのお話です。 安全走行を願ってたまに書いていますバイクの危険回避術。 今回はよくある、、、、と言えばよくありますし、無いと言えば無い場面です。 しかし、心当たりはあるのではないでしょうか? 追い抜く時のこんな場面。。。。。。 ================ 追い抜き前→追い抜こうとした時 ================ 前の車を追い越そうと思って右に車線変更しようとすると、、、、、 おっと! 前の車がウインカーも出さずに車線変更? ちょっとそれて右に寄っただけか? ================ 追い越しはやめて、、、 ================ 右に車線変更するなら追い越しはやめて左車線を直進しようとすると、、、、 おっと! 左に寄ってきた! ================ 原因 ================ こんな場面での原因は、、、、、 ・車の運転手が意地悪 ・車の運転が下手 ・安全走行に従事していない この3つが原因だと考えられます。 意地悪な運転手であるなら意地悪はやめましょう。歴史的検知からみて意地悪の行く末はろくなもんじゃありません。少しはマシな未来を望みましょう。 車の運転が下手な方は致し方がない場合もありますが、真っ直ぐ走ることから練習しましょう。 安全走行に従事していない、、、、、、何かと人気が衰えない煽り運転などであるならそれは残念ながらダサい運転技術です。さほど上手くもないし、さほど絵にもならないので、絵になる運転で魅了するように心がけましょう。 ================ 見ている方向に進む ================ バイクは見ている方向に進む乗り物です。実はこの法則は車にも当てはまるのです。 意識的に道を塞ぐのは悪質ですが、そうでは無い場合、、、、、、 運転手がバックミラーかルームミラーで後方のバイクを意識しすぎていることが考えられます。右を見れば車は右へ、、、、後方は意識しなければいけませんが、後方の動きを目で追おうとすると車は右へ行きます。 こちらの場面でも同じ理屈です。 後方にいるバイクをバックミラーまたはルームミラーで追うと車は自然に見た方向に進みます。 これはとても危険な運転と言えます。 左右確認や後方確認は安全確保には必要ですが、基本的に前を見て運転しましょう。

[day] 誰もが程よく偉人ぶりたいのさ

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先日書いた「[day]自由に生きるのに必要なもの」の続編っぽく書いています。 色々ときつい最近ですがなんとなくこんな感じでがんばろー、と、言う気持ちを込めてバッチリ書いてみます。 ============= が、、、、上手くまとまらず、偉人ぶれませんでした。

[ノベル]スパンキーサマー /第13話/平和条約前の会議

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============== 木崎と立原の家族で会議が開かれた。 「参ったよ、、、、」 「で、そうするの?」 「どうって、、、、木崎さん、何かありますか?」 「、、、、、、」 その姿に雄太が口を開いた。 「あの、、、、忠男さんはたぶんこの島で日本の、、、、資本主義みたいなことをしようとしてると思うんです」 「、、、、、、」 「その、、、何というか、こちらの条件も言うべきではないかと?」 「条件?」 「例えば、氷川さんのキャンプ場は貝しか取れませんがうちは蟹も獲れます。蟹と貝を交換する条件で火をもらうとか」 「ああああ、なるほど」 「ただ、貝が獲れると夏樹ちゃんが針と糸を持っているから魚が獲れるんだ。魚と蟹だと、、、、」 「あの、、、、、」 木崎の次男の圭介が手を上げた。 「圭介くん、何か?」 「あの、、、忠男さんは良い兄貴って思うんですけど、あの感じだと縄張り意識と言うかキャンプ場全体を自分の縄張りと思うと思うんです。と言うことは、その逆にこちらも縄張りを決めて向こうが入れないようにした方が良いかと、、、、」 「なるほど」 「学は何かあるか?」 「いや、、、、水と火だとどっちが大切なの?」 「生きるだけなら水だけど、、、生きるだけじゃないからね、、、」 「でも、島は生きるだけで良いんじゃない?」 「それはそうだけど、貝も蟹も山菜も食べたいでしょ」 「まぁね、、、、猪も食べたいし」 「、、、、、ねえ、、、」 冬美が冬馬の横で聞いた。 「ねぇ、、、喧嘩みたいにならないわよね?」 「喧嘩?」 「だって、売り言葉に買い言葉って男はそんなのにすぐ反応するでしょ」 「、、、、、」 「、、、、、」 「でも、それもありかも知れませんよ」 圭介が意見を言った。 「向こうが喧嘩売ってるなら買うって言うのも解決の1つかも。氷川グループって言ってもここでは無意味ですから、その喧嘩買った!ってなったら今まで通り仲良くなれるかも知れません」 「えーーーー?夏樹お姉ちゃんと喧嘩嫌だー!」 香織が首を横に振った。 会議は2時間程度続いたが決定的な結論は出なかった。好戦か和平かと無理やり分けるとすれば氷川王国は好戦国家、木崎村と立原村は和平目的の共和国と言った感じだろう。 しかしただ相手の言いなりになるわけにもいかない。ボクシングで言うならジャブ程度の攻撃体制は必要だ。 「では、とりあえず圭介くんの

[バイク]危険回避 並走&ベタ付け

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バイクのお話、、、も兼ねて交通安全のお話です。 たまに書いてますバイクが事故りそうな危険な場面の回避術です。 今回は危険だと自覚が足りないバイクの走行場面を書いてみます。 ほとんど無い場面ではありますが、ごくたまにそんな走り方をする方がいるのでピックアップしてみます。 昨今大注目を集めて人気を不動のものにしつつある抜け運転とはまた別の問題です。 並走とベタ付けと言う場面を取り上げてみます。 ============== こんな場面1「並走」 ============== バイクと車がほぼ並走しています。 これはとても危険です。 ============== こんな場面2「ベタ付け」 ============== 前の車にベタ付けして走っています。 これはとても危険です。 ============== 原因と理由 ============== 前述で挙げた2つの例はどちらも、 ・車の急停車に反応しにくい ・車の左折に対応しにくい と事故る可能性が高くなり接触と言う事態になりやすいと考えます。 なぜこう言うの場面になるのか?と言うのは乗っている本人にしか分からないことですが、 原因と理由について考えられるのは、、、、、 ・保険金目当ての当たり屋 ・すり抜けが出来なかったバイク ・下手くそ この3つしか考えられません。 保険金目当ての当たり屋の場合はやめておきましょう。そんなに裁判は甘くないです。 そしてすり抜けが出来なかったバイクの場合は速やかに後方に下がり安全な距離を保ちましょう。 運転が下手な場合は、車線の真ん中を巡行しましょう。わざわざ接近することはありません。 ============== 予想する前段階 ============== 並走やベタ付けになる前段階を考えてみます。 おそらくすり抜けをしたくて進むのですが、何かしらの不備ですり抜けられずに並走またはベタ付けになることが多いと予想します。 ーーーーーーーーーーーーー 低排気量のバイクの場合。 前にも書きましたが一般的な国道や県道で低排気量のバイクの場合スピードによって抜けるか抜けないかが大きく左右します。 125cc(バイク)と2500cc(車)が同じ60km/hで走っていてもアクセル一開けの加速は全く違います。低排気量のバイクの場合、ご自分のバイクの加速性能を承知していなければ並走またはベタ付けになり

[2022年 お金の話]第15話 一度簡単にまとめます

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第二第四金曜日に書いてます。2022年お金の話「月末ピンチ脱出」のお話です。 第14話からはこの物語の後半戦へ突入します。 第14話はこちら→ 再確認 なんのことか分からない方は このお話の第1話は→ 第1話 自分を知る 第1話がこの物語で最も重要だと言えるので今回の第15話までの間に成果が上がらない場合にはいつでも第1話からやり直してください。 何度もやり直して良いんです。 後半戦に突入する前に一度簡単にまとめます。 この物語は(仮名)ミサキトモユキが月末ピンチ!を2年で脱出した内容を基に1年でその物語を記しています。 ここまでを簡単にまとめてみます。 ============ 前提&前説 ============ 私ミサキが働いても働いてもどうしても月末ピンチだった時に「お金って何?」を考えるようになりました。この物語ではお馴染みですがお金とは「圧倒的大多数が認める価値を具体的に数字化したもの」が私ミサキの答えです。簡単に言うと「お金はただの数字」と言う意味です。 数字であれば正確な答えが必ずあります。 正確な答えがあると言うことは正確な答えに辿り着く道筋も必ずあると言うことです。 ============ 道筋は人それぞれ ============ 「ローマは一夜にしてならず」と言う言葉があるように一夜で月末ピンチを脱出するのは無理です。 お金はダイエットと似ていて、3年でたっぷり蓄えた脂肪を1週間で削ぎ落とすなんて不可能なのです。3年でたっぷり蓄えた脂肪は3年以上かけて削ぎ落とすのがベストです。 ちなみにダイエットでよく言う「健康なまま痩せる」なんてファンタジーだと思ってます。 私ミサキの正解は「痩せてから健康になる」です。 目的が2つもあるのは窮屈です。健康か痩せるのか、1つ1つクリア出来ないからタップタップの脂肪がOn the bodyだと考えられないから出来ない2つの目的を持とうと安堵するのでしょう。それを私ミサキは間違った道筋と思ってます。 ここはお金のお話なので目標は「お金」だけです。それも「月末ピンチ脱出」だけを目指しています。「いつも通りの生活をしながら月末ピンチを脱出」、、、、、そんなファンタジーを持っている方は今回の第15話で諦めてください。ファンタジーの住民の貴方には「月末ピンチ脱出」は無理です。 ============ まとめ1「己を

[ノベル]スパンキーサマー / 第12話 /王様降臨

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============= 雨は次の日の朝は止んでいた。 立原が外に出ると小鳥のさえずりが聞こえていた。 「鳥、、、、?」 そう言えば島に着いて初めて鳥のさえずりを聞いたような気がした。緊張が続いて聞こえなかったのか、それとも鳥は初めからいたのか、分からないが鳥は貴重な食糧だ。 「鳥、、、、、弓矢?罠?どっちだ?」 立原は木のつるを引っ張って小枝に結び弓矢を作った。矢はとりあえずその辺に落ちている小枝を弾いて見た。飛んでいくと言うにはほど遠いが作るしかないと思った。 「んんん、、、、矢だな、矢の方を、、、」 「お父さん!」 テントの横から学の声が聞こえた。 「ん?」 「火、、、、火、、、火が、、」 雨に打たれて火が消えていた。 「ああああ、、、まぁ、また氷川さんに相談してみよう」 南側に行く道から足音が聞こえたかと思うと木崎と雄太が小さな猪を抱えて登ってきた。 「え!木崎さん!、、、それ?」 「はい!入江に来てた猪の子どもです」 「どうやって?」 「石持って追いかけて仕留めました」 「おおおおおおお!」 「それで、猪のお裾分けに来ました」 「それはありがたい!」 木崎は学の姿を見ると香織がいないのも確認した。 「あの、、、切るのちょっとグロいので、、、学くん、、、、」 「あ、、、、」 「僕は良いですよ、今度猪が獲れたらやらなきゃいけないし」 「、、、、、そうか、、、」 香織が気が付くと厄介なので家とは反対側の小川を越えた場所で猪を下ろした。 「氷川さんのとこにも持って行くので、足、、、、前足か後ろ足をお裾分けするんですが、それで良いですか?」 「はい。じゃあ、、、後ろ足?前足の方が上手いですか?」 「一緒だと思いますよ。調味料は塩しかないですし、火も焚き火ですから、、、、あ、うちの火、雨で消えちゃって」 「それで火と猪を交換?」 「まぁ、それもありますけど、こう言う時はお互い協力しなきゃ」 「そうですね」 木崎のナイフ捌きはなかなかのもので出血も少なく後ろ足を切り落ちした。腿とお尻の肉も付いていたので少しづつ食べれば4日は持ち堪えそうだ。 「これ切り分けて、半分は腐る前にすぐに食べた方が良いです。もう半分は火があれば細かく切って焼いておくと長持ちします」 「あ、、、ありがとうございます。でも、うちも火が、、、」 「じゃあ、一緒に氷川さんのとこまで行きますか?」 「良